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Subject手紙の内容

 ここからはいよいよ肝心かなめの内容についてまとめていきます。わかりやすく伝えるために留意すべき点を文法書も参考にしながら記しました。前項で実施したアンケートの結果も踏まえているのでまだご覧になっていない方は先にそちらをご確認ください。

「好きだ」は初めに書く


【Google Slidesで作成】
 これは評論文でも言えることですが、一番初めにその文章の着地点を示されたものの方が読んでいて気が滅入りません。理由の一つとして、いつまでもどう転ぶかわからない文章にモヤモヤしてしまうから、というのはあるでしょう。冒頭に結論があると、読み手もその文章が何を話題としているのかをつかみやすくなります。人間は、知識が少ない状態で受けた情報が後の情報に比べて強く記憶されるため、最初に聞いた話の方が記憶に残りやすいという傾向もあります(心理学では「初頭効果」と呼ばれています)。
 このように、結論を初めに伝えることで説得力が高まることには理由があるのです。ビジネスシーンでよく用いられる文章構成にPREP法(結論→理由→具体例→もう一度結論という展開方法)が挙げられるのも、こういう事情からだと考えられます。
 ラブレターも同じです。いくら自分に好意のある人間からの手紙とはいえ、だらだらと冗長な文章は読んでいる側を疲弊させてしまいます。結論を初めに書くことで、文章のおおまかな流れも予測でき、さらに、手紙を渡された時の胸の高鳴りもありありと思い出せます。もしかしたら相手は読んでいる最中も期待で胸を膨らませているかもしれません。読みやすいラブレターにするためにも、そして効果的に自分の想いを伝えるためにも、冒頭で「好きだ」と記すことを推奨します。

オススメは短文


【Google Slidesで作成】
 どれくらいの長さがラブレターに適当でしょうか。人によってその答えは変わるでしょうし、分量よりも中身に込められた気持ちの方を重視すべきです。しかし、長い文章は初心者には些か敷居が高いと思われます。長文を綺麗に読みやすくまとめるのは至難の業です。このサイトを閲覧している方にも字数の多い文章を書くことが不得意な人がいるでしょう。そのような方はまず、たとえ短くとも、読みやすく、相手に自分の気持ちが伝わることだけを考えて書いてください。相手の立場に立って読みやすさや伝わりやすさに配慮した文面は、相手もすらすらと読んでくれます。さらに、文章が短い場合、一回読むのにかかる時間も少ないので同じ期間でも長い手紙より多く読み返してもらえるというメリットもあります。

敬語

 手紙は、普段とは異なるやや改まった雰囲気があるもの、いわば非日常です。その文面で、日常そのものというような友達口調を取り入れるのはあまり良いとは言えません。また、相手に自分の真剣な想いを伝えきるためにもタメ口は不適でしょう。手紙だからこそ、少しかしこまって敬語(この加減は少々難しいですが、尊敬語や謙譲語などを入れると堅苦しくなりすぎてしまうので丁寧語くらいがベストと考えます)を使ってみては。

マイナスな言葉は書かない

 相手への想いの丈を綴るラブレター。書いている最中は不安と期待がないまぜになったような感情でいることでしょう。しかしそれを、特に不安の面を表に出すのは得策ではありません。あなたがラブレターを渡されたとしましょう。その中身に「好きになっちゃってごめん」などのネガティブな文言があったらどう感じますか? せっかく好意を伝えてくれているのに、心にわだかまりができませんか? 自分に対する好意が否定的なものと捉えられているように見えてしまうからです。まるで自分を好きになったことが悪であるかのように思えるからなのです。それではどんなに丁寧に書いたとしても気持ちは相手に伝わりません。
 また、たとえ見知らぬ他人のものであってもネガティブな感情やストレスがさながらあくびのように伝染することは科学的に証明されており、『セカンド・ハンドストレス』と呼ばれています。ネガティブな内容は読み手を知らず知らず不快にさせているのです。
 かと言って無理に肯定的な内容を書こうとすると不自然な文章になりやすいので、否定的な言葉を書かないという認識でいるべきでしょう。

好きになった理由


【Google Slidesで作成】
 突然に渡されたラブレター。そこには差出人と宛先の自分の名前をのぞけば、ただ一言「好きです。付き合ってください。」とだけ書かれていた。
 この場合、あなたは真っ先に「なぜ自分を好きになってくれたのだろう?」と思うのではないでしょうか。前述したPREP法とも関連してきますが、主張に説得力を持たせ、相手に正確に理解してもらうには根拠を述べなくてはなりません。そしてラブレターにおいてその根拠となりうるのが「相手との思い出・好きになった理由」なのです。
 主張を闇雲に書いたところで、それを支える柱がなくてはただの思い付きにしか見えません。自分の想いを的確に届けるため、少なくとも理由は書くべきと言えるでしょう。

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