インタビュー×専門医
免疫についてまとめている際によく目に止まるのは“まだわかっていません”の文字です。
現在も盛んに研究が行われている免疫学ですが、まだ解明されていないことも数多くあります。
最先端でご活躍されている方はどのような方なのでしょうか?
今回はリウマチの専門医の大村先生にお話を伺いました。(インタビュー 2020/11/14)
免疫について
Q. いつ頃から免疫学(今の専門のリウマチ)に興味を持ち、学ぼうと思いましたか?
A. 研修医の時からです。膠原病患者さんの中で何が起こっているのか興味が湧いてきました。
リウマチに興味が出てきたのは留学後に道後温泉病院(愛媛県)で働き始めてからです。
膠原病という病気は比較的若い人に多い免疫の病気で、診断の遅れや治療を間違うとその人の一生が大きく変わってしまう病気です。逆にいうと医者の力量次第で患者さんを救うことが出来る病気であることにやり甲斐を感じました。
同じリウマチ患者でも、重症の人もあれば、軽い治療で良くなってしまう患者さんもいます。
この違いが何故起こるのか、そこに病気を理解して制御する鍵があるような気がしました。
専門について
〇リウマチについて詳しくお話を伺いました。
自己免疫疾患の中でも、最も多いものがリウマチで、およそ100人に1人がかかっています。
本当の原因は未だにわかっていませんが、多少は体質などが関係しているのではないかと考えられています。また、肺の病気や、喫煙、歯周病を患っている人はリウマチになりやすいと言われています。しかし今では何が悪さをしているのかや、どこを抑えれば症状が和らぐのかなどがわかってきています。
また、ここ15年ほどで治療法もかなり進歩してきており、主流な治療法である人工関節だけでなく、2003年からはレシケイドという薬も使われ始めました。原因がわからないので病気自体を治すことは難しいですが、薬で症状をなくすことはできるのではないかと考えています。
リウマチに限ったことではありませんが、インターネット上には紛い物の治療法や情報がたくさんあります。それに惑わされないように患者さん自身だけでなく、周囲の人も気をつけてあげることが大切です。また、日常生活においては喫煙や、歯周病にならないためにも歯磨きなどを日頃から心掛けることも大切です。