提案(商品)

このページでは実際に、前ページで紹介されたアンケート結果をもとに「理想の広告」に必要な要素を考えていきたいと思います。 ※また、今回は「あなたが今一番影響されているなと思う広告媒体は何ですか?」という質問で一番得票数の多かったテレビCMを対象とします。

➀キャッチコピー・数値を提示!

そもそも、高校生とは大人が考える以上に多忙です。日々の授業はもちろん、課題に部活、塾などの習い事に通っている生徒も決して少なくありません。また、私たち三年生は受験勉強や就職活動に奔走し、テレビをゆっくり眺めている時間は意外と少ないのです。そんな中でテレビの、しかもCMに注意を向かせるのは相当難しいことだと思います。実際、友人の中には「見たいテレビ番組がCMに入ったらその時間に単語帳を見ている」という人もいます。録画して番組を見ている人ならCMをスキップする人も多いでしょう。

そこで、CMを見てもらうには、冒頭で気を引く必要があります。

アンケート結果からは、高校生は広告を見る際に商品の魅力を最重視していることがわかりました。なので、まず「商品の魅力を簡潔に表現した印象的なキャッチコピー」を表示して視聴者の興味を引くことが肝心です。

次に、広告の内容について考えていきます。 やはり、「商品を買う上で一番大切にしていることは何ですか?」という質問に対して、全体の69.2%が選んだ質をアピールすることが重要でしょう。 商品の品質をアピールするには、従来品や他社の製品と比較することが有効です。 美容品を例に挙げて説明します。
画像
このように、図表やグラフを示すと商品説明の説得力が一気に増します。 しかし、テレビCMはわずか数秒ですので、具体的な数値ではなく一目でわかりやすい表示を心掛ける必要があります。

ひとまずキャッチコピーだけ載せた画面を作ってみました。わかりやすくするために、架空の製菓企業の商品の宣伝ということにします。

仮サムネのような画像が完成しました。今のままだとお世辞にも商品が売れる気がしません。しかし、この画像一枚が突然現れたら印象には残るのではないでしょうか。 これに似たものが「過払い金請求」や「商品回収」のCMです。淡々としたナレーションと白い背景はどこか不安すら感じさせます。 しかし今回はお菓子のCMという設定ですので、ここからは視聴者にポジティブイメージを持ってもらうための広告作成をしていきたいと思います。
②色味・フォント

先ほどのイメージ画像ではやはり殺風景な感じがしますので、背景や文字などに色味をつけたいと思います。 その時に留意するのが、現在作っているのが「お菓子のCM」であるという点です。食べ物を扱う以上、食欲を沈静化するといわれる寒色系は避けたほうがいいでしょう。反対に、食欲を増進させるといわれるのは暖色系といわれます。 現在(10月中盤)は気温も下がってきているので、暖かみのある色をと要するのは効果的であると考えらえます。

次に変更するのがフォントです。ごく普通のゴシック体よりも、商品の印象に合うフォントを使用したほうがより統一感のあるCMになるのではないでしょうか。

いかがでしょう。先ほどよりは親しみやすくなったのではないでしょうか。どことなくバレンタインカードのような雰囲気すら感じさせます。この調子でどんどん進化させていきましょう。
③イメージモデル

続いての項目はCMに起用するイメージモデルについてです。

CMに興味を持ってもらうためには、そこに登場する芸能人やキャラクターの力も必要でしょう。 先のアンケートの「広告を見るうえで一番注目していることは何ですか?」という質問でも、13.5%の人が「イメージモデル」と解答しました。「自分の推し」が出演しているCMを見るためだけに番組を丸ごと録画する人もいるそうです。 イメージモデル(キャラクター)の選定には、その商品の対象としている年齢に近いモデルを選ぶ必要があります。これは、CMの中身に共感してもらうためです。 この記事では、高校生を対象としていますので、十代のタレントを想定しています。
④ストーリー

このままストーリーについても考えていきます。 高校生の生活の大部分を占めるものといえば学校を連想する方が多いのではないでしょうか。しかし、そこから一歩掘り下げて考えると、学校の中でも勉強を第一に挙げる人もいれば、部活動、あるいは友人と話す休み時間など、学校というくくりだけでも重きを置いているものは様々です。もちろん学校の中だけがすべてではありません。そこで、CMを見た人が「自分だけここに当てはまらない」と考えることができるだけないように、幅広い展開を見せるストーリーを考えたいと思います。

たとえば、部活動に打ち込んでいる学生の放課後やテスト勉強の合間。友人と話しながら。家族の団欒。そういった日常の一コマに商品が寄り添っている。そんな風景を映すのも一つかと思います。

このように、「高校生の理想のCM}を作るためには高校生の日常や心理に深く寄り添う必要があることがわかりました。もちろん企業が普段放送しているCMも綿密なマーケテイングに基づいたものかとは思いますが、消費者自身が考えたものには製作者とはまた違った視点があると考えます。

このページは西宮市立西宮東高校の生徒によって作成されました