多くの国は義務教育が9〜13年と比較的長く設けられていて、教育レベルは世界トップクラス。一方で、学校の中退率が高く、それは実質的に社会の排除に近いとされている。
イギリスにおける歴史教育は、ギリシアから始まり、ローマ、中世、近代、現代へと続く「西欧文明発達史」と言う認識の上にあり、それ以外の世界はすべて「地域研究」であって、歴史という視点ではとらえられていなことが特徴である。
平和教育という観点では、何かを特に重視するというよりは、紛争と暴力の原因を偏らない立場から知らせ、それを解決する代替案を生徒たちに探求させようとしている。
エストニアは田舎が多く教育格差を生まれやすいと考え教材を電子化している学校が多く、ほとんどの学校でフリーWi-Fiを使用することができる。子供たちの間では自分のICT機器を学校に持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)形式が盛んになっている。結果的に教育の地域格差がなくなり、教育のシステムとしても効率化されている。
授業を受ける種目について選択性、少人数制をとっていることが多い。年間を通してシーズン制で、自分の選択した種目を自発的に学んでいく。教師はアドバイスをするものの、それに従うかどうかは自由である。成績も技術や身体能力によってではなく、出席率や授業への取り組み方が基準になる。
英国・北アイルランドにおいて、家庭科は、7~9年生の男女ともに必修科目として教えられている。中等教育の修了資格試験の教科として、家庭科は、筆記試験並びに実技試験が課されている。職業教育のための選択科目として採用している学校もある。
ドイツでは、1990年代までは多くの州で、「手芸」「家庭科」「被服製作」という教科が設置されていたが、男女別の教育を改める過程で、「手芸」が廃止され、「消費者教育」などに名称変更されている。現在は僅かな州でのみ、「家庭科」あるいは「被服製作」が教科として位置づけられている。
スウェーデンの性教育は、国際セクシュアリティ教育ガイダンスで性教育は5歳から始まるが、ヨーロッパにおける性教育のスタンダードとしては、『0歳から』と書かれている。また生殖についてのことだけでなく、ジェンダーアイデンティティに関わることだったり、包括的な性教育が義務教育という風に変わってきている。スウェーデンでは、教員資格を取るための教職課程で必ず「性に関する学び」が必須になってきている。
ドイツでは、小学5年生から「生物」で避妊も含めて教えられている。ガイダンスで「9~12歳の段階で基本的な避妊方法について確認する」となっており、それに沿った対応がされている。教科書はエコなどの観点から無償貸与。
イギリスでは、
0~4歳:ケアサービス
3~4歳:親の希望に応じて幼児教育
5歳~:義務教育
となっており、カリキュラムの統一のために、すべての施設で「乳幼児基礎段階」(EYFS)に沿った活動が行われる。EYFSには、コミュニケーション、運動、社会性、読み書き、数的思考、表現、環境への関心という各領域において、5歳までに獲得すべき目標が示されていて、それに基づいた教育が行われいている。
フランスでは、
0~2歳:保育所
3~5歳:エコール・マテルネル
6歳~:義務教育
となっており、ほぼ全ての子供がエコール・マテルネルに通うため、児童教育が統一されていると言える。一方で義務教育前での就学準備という側面が強く、学習指導要領には学校の規範を学ぶことが明記されている。
EUでは2015年子供の21.1%が貧困のリスクにあり、地域全体での貧困率の増加が問題になっている。この数値は加盟国で同じような水準ではなく、東欧地域では貧困のリスクは更に高い。一方でドイツや北欧諸国はこの数値が低く、このような貧困格差が子供の教育に大きく影響してしまう。実際最終学歴が低い親の子供の52%は貧困のリスクに瀕しており、貧困が大きな問題となっている。