北アメリカの教育

カリキュラムやICTの活用度は他地域と比べ先進的なものとなっている。一方で北アメリカ地域は国内での教育格差が非常に大きい。所得によって受けられる教育 の質に差があるため、現在大きな問題となっている。

歴史教育

アメリカの歴史の教科書は「なぜそうなったか?」というような理由が明確に示されておりストーリー性があるため、ただの暗記で済まさない学習ができるよう工夫がなされている。

授業において過去の事象に対して自分の中での歴史評価を問うことが多い。更にはそれを政治経済学習にもつなげることで、社会で生きていく上で役に立つ資質を形成しようとしている。

戦争に関しては、「原爆は戦争を終わらせるためのただの爆弾」という考え方を持つ人が多い。民間人に多大なる被害をもたらしたということを認識してる生徒は多くない。

ICT教育

アメリカは州によって教育のIT化の状況が異なるが、メイン州においてはすべての公立中・高校生にノートPCを配布している。また、カリフォルニア州の高校では、オープンソースのデジタル教科書を導入している。また、データ管理のIT活用も進んでおり、各種テストスコア、名前・住所などの個人情報といった個別の生徒のデータの情報も簡単に確認することができ、それらはすべて教育区のサーバに保存されている。

授業内中でコンピュータを活用してコンテストに挑戦するなど積極的にICTを授業に取り入れる学校が多くある。ある学校では積極的にICTを活用することで、授業などで「デジタルシチズン」を育てるとの方針を示していた。

体育

アメリカではそれぞれの州に大きな権限があり、州や地域、学区の財政によって学校体育への取り組みや設備等に大きな違いがある。日本ではどの学校にも設置されている体育館でさえもアメリカの公立小学校には存在しない場合がある。予算が少ない学区では設備投資も少ないため、保護者や企業からの出資によってグラウンドの設備が整えられている学校も存在する。

アメリカでは日本の学習指導要領のように明確な方針があるわけではないため、学校によって教育の方針や内容に違いがある。体育に力を注ぐ学校もあれば、そうでない学校もあるため、住んでいる学区によって子どもたちの体力には大きな差が生じてしまう。

性教育

アメリカのカリフォルニア州では、7~12年生(日本の中高校期にあたる)で十分な性教育を行うよう指南するカリフォルニア州法「California Healthy Youth Act (CHYA)」を策定した。HIVやその他感染症の性質、予防と治療、避妊、禁欲、妊娠、性的指向の表現とアイデンティティ、同性カップル、性的虐待や暴力、人身売買、セクハラ等を盛り込んだ性教育カリキュラムを、2019−20年内に教育現場へ実施することを義務付けたもの。

大学

単位制で、退学という概念がない。卒業の必要な単位を取り次第学期末での卒業が可能。日本とは異なり単位認定団体が存在していて、
New England Association of Schools and Colleges
North Central Association of Colleges and Schools
Northwest Commission on Colleges and Universities
Southern Association of Colleges and Schools
Western Association of Schools and Colleges
というようになっている。

幼児教育

0~4歳:低所得者向け早期教育(ヘッドスタート) 0~4歳:民間保育サービス 4~5歳:(プレ)キンダーガーテン(就学前教育) 6歳~:義務教育(州によって異なる場合有) 保育は民間の運営。貧困向けの幼児教育支援を行うヘッドスタートが1960年代から実施されている。また国全体での学力レベルの向上のために、小学校入学前に必要となる能力を想定したGSGSプロジェクトが存在する。

経済

アメリカは州によって教育格差が大きい。多くの州は学区制となっており、良い学校に通いたい場合はその地域に住まなければならない。そのため、所得格差によって通える学校に差が出てきてしまう。アメリカはOECDのPISAスコアが主要科目で平均を下回っており、こういった格差が問題になっている。

原爆ドーム

GSGS

落ちこぼれ対策として幼稚園入学時で必要とされる能力を想定し、3~5歳児の言語、認知、読みを教育し、週単位で達成度合いを把握する。

PISA

PISAとは、OECDが実施している各国の義務教育の質をはかる調査である。主に東南アジア諸国が良い評価を得ている。

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