様々な実験により
触覚は心に影響を与えているということが分かっています。
ここではをそれを証明するいくつかの実験を紹介しようと思います。
まず皆さんは心が温かくなるという言葉を普段耳にしませんか?
初めに触れたものの温度による心情の変化を調べた実験を紹介します。
アメリカの行動心理学者ローレンス、ヴィリアムズとジョン・バーグはコーヒーを使った実験を行いました。
<実験内容>
実験参加者にエレベーター内でホットコーヒーあるいは冷たいコーヒーを持っているよう依頼する。
そのあと、参加者に架空の人物の特徴が書かれたリストを読ませる。
その人物について評価してもらう。
<実験結果>
冷たいコーヒーを持った人より、ホットコーヒーを持った人のほうが
その人物を「親切」「寛容」と評価した。
ほかの実験では
<実験内容>
暖かい部屋で遊ばせた子供たちと冷たい部屋で遊ばせた子供たちのうちの一人に
それぞれお菓子を与えた。
そのお菓子をどのように食べるかを観察する。
<実験結果>
暖かい部屋にいた子供はお菓子をみんなで分け合い、
冷たい部屋にいた子供は自分一人で食べてしまった。
これらのことから、皮膚を温めた人は
人への信頼感が増したり、人との対人距離が短くなったり、
心も温かくなる
ことが分かります。
ではなぜこのように皮膚を温めると心も温かくなるのでしょう?
これは
体の温かさを感じると興奮する、脳の島皮質と線条体
と呼ばれる部分が関係します。
島皮質と線条体は体の温かさだけではなく、同時に心理的な温かさにも興奮する部分です。
なので温かいものを触ると、温かい気持ちを持ちやすくなるのです。
またこれは逆でもいうことができて、
体が冷えると人に対して信頼感が持てなくなったり思いやりの心がもてなくなったり
してしまうのです。
ここで関係するのは脳の側頭葉の奥にある扁桃体と呼ばれる部分です。
扁桃体はストレス、不安や恐怖つまりネガティブな感情に反応するのですが、
冷たいものを触った時も反応してしまいます。
これは恐らく体が冷えるということが、生命の危険につながるという原始的な反応が働くからだと思われます。
触り心地も心に影響を与えています。
まず紹介するのはアメリカの心理学者、ジョシュア・アッカーマンらの実験です。
<実験内容>
通行人64人に5ピースのパズルをやってもらいます。
半数には
なめらかな布で覆ったピース
で、
残りの半数には
粗いサンドペーパーで覆ったざらざらしたピース
でやってもらった。
そのあと、全員に宝くじをあげて相手と分け合うゲームに参加してもらいます。
<実験結果>
なめらかなピース
を触ったほうのグループの約7割は宝くじを協調的に分けたが、
ざらざらしたピース
を触ったほうのグループの約75%は自己中心的な分け方をした。
このことから,
触り心地がいいもの
を触ると、
人は無意識にやさしくなったり、協調的になったり
したり、
反対に
触り心地が悪いもの
を触ると
自己中心的になったり、人を思いやれなくなったり
するのです。
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