ところで皆さんは心地いい触り方があることはご存じですか?
私たちは
1秒に5㎝の速さ
で触られたとき、心地いいと感じます。
多くの人はこういわれてもピンとこないと思いますが、
これは私たちが普段赤ちゃんの背中をさすったり、マッサージをしているときの速さくらいであり、
意識しなくても相手を気持ちよくさせたい時などは本能的にこの速さで撫でています。
なぜこの速さが心地いいのかというと、
自由神経終末のC触覚繊維
が関係してきます。
自由神経終末にあるC触覚繊維は、一秒に5センチ前後の速さで触れたときに最も興奮し、
それ以上でも以下の速度でも興奮しなくなります。
この興奮は、呼吸や血圧など生きるために必要な部分をつかさどる脳幹や、感情にかかわる扁桃体、
自律神経やホルモンの調節をつかさどる視床下部、
情動に関わる島皮質など広い範囲に広がるのです。
なので、私たちは1秒に5㎝の速さで触られたとき、心地いいと感じるのです。
また、人間の場合C触覚繊維は顔と腕に多いため、顔と腕を触られたときは特に心地いいと感じる。
またはぐやスキンシップでは
オキシトシン
というホルモンが生まれます。
このホルモンは
幸せホルモン
や
愛情ホルモン
などと呼ばれていて、
体と心にたくさんのいい影響を与えます。
信頼や愛情を感じる事ももちろん、血圧を下げたり、ストレスホルモンが減ったり、
リラックス効果、鎮痛効果、傷の治りを早める効果、導眠作用、筋肉が若返る作用、
などがあります。
また、中でも
親子でのスキンシップ
はとても大切です。
まず撫でるという行為では触覚の刺激によってオキシトシンが分泌されて、成長ホルモンの分泌が促進されます。
また生後間もないころや、赤ちゃんの頃のスキンシップは、
その後のストレスホルモンや性格などにも大きく影響を与えることが分かっています。
だから、赤ちゃんへのスキンシップはとても重要といえます。
このようにスキンシップは私たちに様々な良い影響を与えます。
今はコロナの影響により、色んな人とスキンシップすることは難しいと思いますが、
疲れやストレスがたまったら家族とハグなどをすることも手だと思います。
また、自分で行うセルフマッサージでも効果はあります。
実際に私たちは人前に出た時など緊張したときに、無意識に自分の腕や髪を触ったり、鼻の下をこっすたり、
自分の体を自分で触ることで、心を落ち着かせています。
セルフマッサージでもC触覚繊維に働きかけ、またオキシトシンを分泌する事が出来るのです。
そしてこの時もC触覚繊維が多い顔、また前腕などを5㎝/秒で撫でるとよりいいと言うことが出来ます。
是非皆さんも緊張しているときなどにこれを思い出して、スキンシップやセルフマッサージを試してみてください!
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