国家公務員(外務省)の方へインタビュー


仕事の概要を教えてください


科学技術が発展している国の研究機関との橋渡しを行うなど、科学技術における国際協力を行っています。
コロナ前は海外出張をして、意見交換をすることもありました。

「働き方改革」における働き方の変化があれば教えてください


小さい子どもがいる人や介護をしている人などは、フレックスタイム制を取っている人もいます。ただ、民間企業に比べると、まだ利用者は少ないと思います。そういった面では、民間企業の方が、より柔軟な対応を行えているのではないかと思います。
ですが、業務の効率化は進んできていると思います。なぜなら、公務員は残業が多く、労働に見合った対価がないとして、やめる人が増加したからです。
そういうわけで、4〜5年前から、ワークライフバランスという言葉が広まり始めました。今は、夕方に会議をしないなど、無駄を減らす努力がなされています

今日における働き方の変化があれば教えてください


コロナ禍の影響で、リモートワークが増えました。以前は1度もありませんでしたが、今は週に3〜4日行っています。これは劇的な変化といえるでしょう。通勤の手間もなくなり、個人の時間が取りやすくなったと思います。
しかし、全体的に好印象であるものの、人によっては、パソコンやネット環境が悪く、リモートワークによって効率が落ちてしまったという人もいます。
ですがやはり、コロナウイルスが収束しても、リモートワークは、今ほどではありませんが、残っていくのではないかと思います。コロナ禍を通して、実際にリモートワークで稼働できると知ったことは、大きいのではないかと思います。
また、ICT化の影響は、あまり感じていません。メールを携帯で見ることができる、オンライン会議があるといった程度です。

差別・ハラスメントの捉えられ方の変化があれば教えてください


ハラスメントについては、かなり変化したと思います。相談窓口がつくられたり、以前と比べて意識が高まっていますし、もし発生してしまった場合は、厳しく対応するという雰囲気になっています。
誰もが働きやすい会社でなければ、人材も集まらない
ため、こうした動きは大事だと思います。

育児・介護休業制度は知っていましたか?
また、利用したことはありますか?


育児休暇を利用したことがあります。上司と相談し、休暇所得計画を立て、利用しました。
自分が休暇している間、会社は代理の人を雇っていたため、仕事の連絡は一切なく、完全に休みを取ることができました。
やはり女性の利用が多いのですが、最近は、男性も、少なくとも1ヶ月は利用しようという流れになっています。これは、この制度が民間人に普及してほしいならば、まず公務員から進めていこうという考えに基づいています。

この職業の今後について、思うことを教えてください


AIに取って代わられるようなことはないと思います。
人と会って、考えたり、協議しながら進めることが多いので、そういったことを機械にさせるということは起こり得ないでしょう。
ただ、通訳などは、技術が発達すると、AI化するかもしれません。ですが、だからといって外国語を学ばなくていいというわけではありません。言語も、文化のひとつだからです。

よりよい働き方に向けて、提案やお考えがありましたら教えてください


個人の能力や性格を生かした仕事の仕方を、会社も自分も考えていくことが大切だと思います。加えて、1人に押しつける、いわゆるパワハラのようなことがなく、皆がうまく協力していけたら、最もよいのではないかと思います。
また、過労死はあってはならないことです。死んでしまっては、仕事の意味もありません。こういったことが起きてしまうことは、日本社会が抱えている問題だと思います。
ノルウェーにいたことがありますが、ノルウェーでは、定時帰宅が当たり前です。その根本として、家族などの、プライベートを重視する考え方があります。他国と比べてみても、日本の過労死は問題点だと思います。

まとめ

・公務員より、民間企業の方が柔軟な対応を行えているという印象
・賛否両論あるものの、コロナ禍で実際にリモートワークで稼働できると知ったことは大きい
・誰もが働きやすい会社でなければ、人材も集まらない
・過労死は日本社会の抱える問題で、解決すべき

働き方改革

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