レアメタルは主産物としてのベースメタル鉱石中に副産物として得られるものが多いです。
例:
日本のケースでは、2006年2月に豊羽鉱山の採掘・操業が停止されたため、
世界第一位の産出量であったインジウムの供給源を突然失いました。
日本のレアメタル資源
日本でも黒鉱ベルト(グリーン・タフ)と呼ばれる、鉛、亜鉛、バリウム、アンチモン、
ビスマスを豊富に含む鉱床が存在しますが、硫化鉱と諸金属からの分離に手間がかかることと、
従来はコスト的に引き合わなかったため採掘は行われていなませんでした。
しかし21世紀から始まったレアメタルの価格高騰が続けば、今後の開発も現実になるかもしれません。
黒鉱ベルト(グリーン・タフ)
黒鉱ベルトは東北に南北50kmでのびている地域を指します。
ここの地域の地質は新第三紀中新世初期から中期(2000万年前)の海底における火山噴出物により
生成されているため多くの鉱石が採取されます。
レアメタルのリサイクル
東京都は2009年に携帯電話の端末と充電器、約2000台をレアメタル回収のために回収しました。
回収できたレアメタルは金25グラム、銀156グラム、銅9220グラム、
パラジウム12.6グラム、コバルト4311グラムでした。
このような回収は全国各地でも行われてきています。
レアメタル研究会の調査では、年間に廃棄される携帯電話の12.6%程度回収できているそうです。
しかしデジタルカメラやノートパソコンは11%程度にとどまっています。
レアアースと中国
レアアースとはスカンジウム、イットリウム、ランタン〜ルテチウムまでの17元素からなるグループのことを指します。
別名、希土類元素とも呼ばれていて、希土、希土類とは希土類元素の酸化物のことです。
レアアースは化学的性質が互いによく似ています。
産地は中国(内モンゴル)が世界の産出量(12.4万トン)の97%以上を占めています。
従って日本は世界需要の約半分は占めるが、大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っています。
しかし2010年4月に中国はレアアースの出荷を4割削減すると通告してきました。
また9月には尖閣諸島における漁船船長拿捕の報復としてレアアースの通関をすべて差し止めたとみられます。
(中国商務省は報復も指し止めも命令していないとしています。)
しかし、日本には民間備蓄が約1年分あると見られているため直接影響が及んでいるわけではないようですが、今後の不安材料です。