双子のパラドックス正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論が得られる事を指す言葉の解法1
〜の慣性系慣性の法則(運動の第1法則)が成立する座標系を乗り越えたのはどっち?〜
具体的に弟のほうがなぜ歳をとったのか説明しよう。
そのため兄は光速度の80パーセントで12光年先の星を訪ねて戻ってくるとする。
兄が目的地に着いた時点での慣性系を乗り越えたのがカギである。
そこであにが目的地に着いた事象を事象Aとしてこの事象と同時の事象はどこか考えてみよう。
離れた2事象が同時かどうかは観測者による。
そこでまず地球にいる弟のの慣性系で考えると、兄は30年かけて戻ってくるから当然事象Aは弟の時計で出発してから15年目になる。
したがって弟の世界線上で出発してから(弟の時計で)15年後の事象が事象Aと同時となる。
一方、目的地に向かっている時の兄の時計で事象Aと同時の弟の世界線上の事象を計算してみる。
弟のの慣性系で事象Aの時間座標は15年、空間12光年である。
原点から事象Aに引いたベクトルを考えると、このベクトルの4次元的な固有な長さは、12の2乗−15の2乗=−81=−9の2乗となる。
固有の長さはの慣性系によらない。
そこでこのベクトルの固有の長さを兄のの慣性系で計算してみると、兄の慣性系(静止系)では空間座標は0となるから固有の長さは時間成分だけできまり、結局9年となる。
要するに兄の時計では9年で目的の星につくのである。
兄の9年は弟の9×0.6=5.4年にあたるから弟の世界線上で出発点から5.4年後の事象が事象Aと同時刻になる。
同様に考えて、地球に戻ってくる兄の時計で事象Aと同時な弟の世界線上の事象は、弟の時計で出発時から24.6年後になることがわかる。
兄が目的地の星での慣性系を乗り越えた一瞬の間に弟は19.2年の時を経過しているのである。