電気開発の歴史

現在、電気を使った物の仕組みはより高度な物になってきています。
学校で勉強する側としては、「ここまでやらなかったらもっと勉強は楽だったのに」と思う人も多いですが、
今の世の中を便利にしているのは、その楽じゃない勉強の上に成り立っているのです。
ここでは、そんな現在の文明の基盤ともなった、電気についての発見・発明の歴史を紹介しています。
全てを書き出すとかなり長くなったりかなり専門的になるので、ここではその一部だけを紹介しています。
時代を想像しやすいよな資料もあわせて記載しました。

時代
(日本の時代)
 発見・発明

当時の日本の様子など

紀元前1世紀
(弥生時代)
大プリウス

・デンキナマズやシビレエイを触るとしびれる
・それらの電気は鉄などの導体を伝わる
・これらを使って頭痛の治療など

吉野ヶ里遺跡
中国で、前漢が朝鮮半島北部を支配

500年以前
(古墳時代)
不明

・琥珀のボタンが、髪の毛のような小さなものをひきつける
・十分に長い間琥珀をこすれば火花を飛ばせる

漢字が伝わる

16世紀
(戦国時代)
1550年 ジェロラモ・カルダーノ

・電気の力と磁石の力はそれぞれ別の力である

前年、フランシスコザビエルが日本に到着

18世紀
(江戸時代)
1729年 スティーブン・グレイ

・物質は、電気を通すものと、電気を通さないものに分けられる
鉄は「電気を通すもの」、絹糸は「電気を通さないもの」
今では、電気を通す物を「導体」、電気を通さないものを「絶縁体」という
1733年 シャルル・フランソワ・デュ・フェ

・電気には二つの極がある
・同じ極をもつものは反発し、違う極をもつものは引き合う

イギリスで産業革命が始まる
8代目将軍徳川吉宗が享保改革

1746年 ピーテル・ファン・ミュッセンブルーク

・ライデン瓶
静電気をためる装置
最初に作られたのは、次のような造り。
 @  電気の出し入れをする金属部分
 A  ガラス瓶
 B  内側と外側の表面をスズ(金属)の膜で覆う
 C  @とBをつなぐ金属のチェーン
絶縁体を導体ではさみ、それに電圧をかけると導体に電荷がたまる
1747年 ウィリアム・ワトソン

・静電気は電流と同じものである
1752年 ベンジャミン・フランクリン

・凧の実験から「雷は静電気である」
 @  凧
上の端に針金
(雷が当たりやすくなるように)
 A  麻ひも
ぬれて電気を通しやすい
 B  絹のひも
電気を通しにくい
 C  金属の鍵
 D  ライデン瓶
※当時この実験に失敗して本当に何人もの科学者たちが亡くなっている
非常に危険なので絶対にしてはいけない

凧に雷を落とし、電気をAに伝わせる

Bは電気を通しにくいので、電気を通しやすいCを伝わりDにたまる
静電気を発生させる他の実験と同じようにDにたまり、同じように取り出せたことから
雷は静電気と同じもの
たまった静電気の性質が二つに分かれたことから、
静電気は2種類ある

この凧の実験から避雷針を発明
1776年 平賀源内

長崎で、破損したエレキテルの復元に成功
日本に最初にエレキテルを持ち込んだのはオランダ人。

@ふた A鎖 Bブラシ Cドラム D枕
ドラムと枕がこすれて静電気が発生し、それがブラシから鎖を伝っていく。
※他の造りもある
初期のエレキテルの使い方 
絶縁板を台の下に置く

電気をためるものを台の上に乗せる

エレキテルの蓋から延びる鎖(電極の一部)を、電気をためるものに接触させる

ハンドルを回して電気をためる
ためたものにほかのものを近づけると、放電がおこる

アメリカ独立宣言

19世紀
(江戸時代後期
〜明治)
1800年 アレッサンドロ・ボルタ

・ボルタの電堆
今までの電気を起こす装置より安定した電流を取り出すことに成功
現在の電池と
電解液などを2種類の金属などの導体ではさむ」という大まかな構造は同じ
 ボルタの電堆   マンガン電池 

※横に倒した状態
@陽極 A B陰極 @陽極 A B陰極
亜鉛 塩水をしみ込ませた布 銅板 炭素棒 二酸化マンガン 亜鉛
ボルタは、数少ない電気と人体を使った実験をした人物の一人。
・片方の電極を眼球に当て、もう片方の電極を手で掴み電流を流すと、光を感じる
・耳に電流を流すと音が聞こえる
・鼻に電流を流すと、特に臭いは感じないが、苦痛を感じる
などの実験をした。
1820年 ハンス・クリスティアン・エルステッド

・電流による磁気作用
講義中に、電流を流している導線の近くに磁針を近づけると針が振れた。
これについて調べた結果、
「電流を流している導線の周りには磁気が発生する」
アンドレ・マリ=アンペール

・エルステッドの実験を更に詳しく研究
右ねじ(右手)の法則
@  電流の向き
A  磁界の向き
1821年 マイケル・ファラデー

・上の仕組みを応用した、電気で動く装置(電動機)
・コイルの周りの磁界を変化させると、コイルに電流が流れる「電磁誘導」
1827年 ゲオルク・オーム

・電気回路の数学的解析
→オームの法則
V(電圧)=R(抵抗)×A(電流)
1867年 ワーナー・ジーメンス

・永久磁石を使わない発電機「ダイナモ」
1876年 アレクサンダー・グラハム・ベル

・電話を発明(ドイツ語で「Telephon」)
1877年
1878年
トーマス・アルバ・エジソン

・蓄音機
・白熱電球
1879年 ハインリッチ・ルドルフ・ヘルツ

・電磁波を発見
1887年 ニコラ・テスラ

・交流電流用の発電機
それを利用した製品
不詳 フレミング

・フレミング右手の法則、フレミング左手の法則
左手の法則

20世紀
(明治)
1904年 シュガティッシュ・チャンドラ・ボース

・鉱石検波器(半導体のもとになるもの)を開発
半導体の性質を持つ鉱石に金属の針を当て、交流電流を直流電流に変換するもの。

日露戦争勃発
前年にライト兄弟が飛行機を発明

参考資料:
歴史資料年表
絵で見る 電気の歴史
Wikipedia:電気
Wikipedia:スティーヴン・グレイ
Wikipedia:Willoam Watson (scientist)
平賀源内とエレキテル
−どんと来い物理−Yahoo!ブログ
平賀源内が作ったエレキテルはどのようなものであったか?
エレキテルの歴史《その6》−どんと来い物理−Yahoo!ブログ
Wikipedia:エレキテル
電池について
Wikipedia:ジャガティッシュ・チャンドラ・ボース
電気の歴史イラスト館:半導体の歴史概要説明