実験室
他のページで書ききれなかったことや、より分かりやすくするための実験などを紹介します。
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エネルギーの変換
電気エネルギーは、
この様に、様々なエネルギーに変換することができます。
このほかにも、様々な種類のエネルギーがあります。
変える方法も、ここで紹介されているものはほんの一部分だけです。
エネルギーの移動には、例えば次のようなことをする必要があります。
しかし、エネルギーは外に逃げ出しやすいのです。
熱エネルギー |
・熱を持たせた水などを移動させる ・金属など、エネルギーを通しやすい物体に伝えさせる |
氷の上にお湯をかけると、氷が溶けてお湯が冷めるように、 持っている物が他の物に触れると、その部分から逃げていく。 |
光エネルギー | 「光」として放つ |
部屋の電気をつけると部屋全体が明るくなるように、 光は壁などがなければすぐに広がっていってしまう。 |
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静電気
静電気は、ものが擦られたりすると、
その表面の原子にある電子が移動し、
その物体が電荷を帯びた(帯電した)状態になることで発生します。
静電気は、物を一目見ただけでは持っているかどうか分からないので、
「静」かに存在している「電気」ということで、「静電気」といいます。
静電気を帯びた物に電荷を受け取れるものが近付くと、
いらない分を渡そうと、電荷が、この場合は電子が移動しようとします。
この時、空気を通る場合は火花が飛びます。
これが、冬にドアノブなどに触れようとしたときなどにおきる火花の正体です。
空気は電気抵抗が高いので、
電流になっていられないエネルギーが光などの違うエネルギーに変わって放たれます。
この放たれたエネルギーを、火花として見ることができるのです。
電球のフィラメントが光るように、火花も光ります。 電球につないである電池が一瞬で切れるので、電球が光るのも一瞬だけです。 同じように、火花が散った瞬間にたまっていた静電気が放たれてなくなるので、火花が散るのは一瞬だけです。 この火花を、長時間発生させ続ける装置も開発されているようです。 |
マッチに火をつけるのと同じようなことです。
ガソリンなどの油は、放っておくと蒸発してしまいます。
その蒸発した油も、蒸発していない油のように非常によく燃えます。
なので、冬にガソリンスタンドに行く場合は、静電気除去シートに触れるようにしましょう。
→「引き合う」実験
→「反発し合う」実験
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「引き合う」実験
@下敷きで頭をこする
A下敷きを持ち上げる
解説:
誰でもやったことがありそうな、かなり簡単な実験です。
髪の毛と下敷きという二つの物質をこすりあわせ、お互いを帯電させます。
帯電することで電荷が発生し、その電荷が電場を作ります。
そして、その電場により、下敷きと髪の毛の電荷が「引き合う」力を受けるので、
下敷きを持ち上げると髪の毛も一緒に持ち上がってくるのです。
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「反発し合う」実験
@ティッシュペーパーでストローをこすったものを2組作る
A片方のストローが自由に動けるようにした状態で、もう片方のストローを近づける
解説:
どの過程でも出来そうな、簡単な実験です。
ティッシュぺーパーでストローをこすって帯電させます。
同じ組み合わせでもう一組作ります。物質の組み合わせは同じなので、それぞれの物質が持つ電気も同じになります。
この状態で、同じ電気を持つ物質どうしを近づけると、お互いに「反発」し合い、離れようとします。
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電圧
電流が流れるときの電位差を、AさんとBさんの間でのお金のやりとりで例えます。
BさんはAさんから200円借りています。
Bさんは、用事が済んだので200円分Aさんに返しました。
BさんがAさんにしている借金の量が、電位の量の差です。
そして、この時に動いたお金の量が、電圧です。
借りているお金が多いほど、返すときに動くお金の量が多くなります。
同様に、負電荷の量の差が大きいほど、電圧も大きくなります。
参考資料:
電気が一番わかる
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電磁誘導
マイケルファラデーにより発見された現象です。
鉄の輪の片方にボルタの電堆に接続したスイッチつきの導線を巻き付け、
もう片方に検流計を接続した導線を巻き付けた装置を作りました。
この装置のスイッチを入れると、一瞬だけ検流計の針が振れました。
スイッチを切ると、一瞬だけ、入れたときとは逆の向きに検流計の針が振れました。
次に、2本の棒磁石を使った、次のような装置を作りました。
この磁石がついている部分を開閉しても、電流が流れることを確認しました。
このことから、
「コイルの周りの磁界を変化させると、コイルには電流が流れる」という現象があるとし、
これを「電磁誘導」、これにより発生する電流を「誘導電流」と名付けました。
誘導電流の向きは、現在では「磁界の変化とは逆」の変化になるように流れる事が確認されています。
参考資料:
絵で見る 電気の歴史
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直流と交流の見分け方
直流電源や、直流電流を利用しているものは、+と−が決まっていることが多いです。
たとえば、乾電池には+と−があります。
電池を逆につなぐということは、回路流れる電流の向きを逆にすることになります。
それに対応していない製品は、壊れて使えなくなることがあります。
電流の向きが逆になっているのは、モーターで見ることができます。
特に複雑な仕組みのない、モーターと電池とスイッチだけで走るおもちゃの自動車は、
電池を逆につけると、前に進むのと同じ速さでバックします。
交流電源やそれを利用する製品には、+と−がありません。
家電製品など、コンセントを使う製品はすべて交流電流を使っています。家庭のコンセントは、交流の電流が流せるようになっているからです。
このため、コンセントを挿すとき、向きに関係なく使うことができます。
中には、電源が交流で、電流自体は直流を使っているというものもあります。
これは、いったん交流で取り込み、内部で直流に直しています。
日本における多くの家庭用のコンセントには、100Vの電流が流れています。乾電池約67本分です。
小学校や中学校の実験で使う電流の多くは、10Vまでです。この程度の電圧でも目に見える結果が得られます。
100Vという電圧は、大きなものなのです。コンセントに手を突っ込んだり、ハサミを挿し込んだり、シャープペンの芯を入れたりするのは、かなり危険なことです。
電気をつたえるものを持った状態でコンセントにそのものを挿し込むと、100Vの電流が体を通って地面に流れます。
人間の筋肉は、神経を通して電気信号を伝えることで動いています。そこに、急に強い電流を流すと、筋肉がおかしな動き方をします。
もしこれが、心臓や脳といった重要な器官なら…命を落としかねません。
また、インスタントカメラなども、電源は乾電池ですが、コンデンサにより電流が大きくなっています。
分解して、電気が流れる部分を触ってしまうと、腕が大きく震え、しばらく頭がふらふらします。弱いながらも、電流が脳を通ったためです。
危険なので、電子機器の分解はやめましょう。
電流を例えると
電流をところてんに例えると、
この場合、ところてんを前に押し出す力が「電場」、一番手前の部分のところてんが「電荷」です。
ここでは、ところてんを圧し始めてから出はじめるまでの時間が電場が伝わった時間、一番手前の部分の移動が電荷の移動です。
圧し始めてからではじめるまでの時間はごく短いですが、手前の部分のところてんが出てくるまでには時間がかかります。
※これはあくまでわかりやすくしたイメージなので、電荷や電場の運動とは違う部分があります。
参考資料:
Wikipedia:電気
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電動機
直流電流の電動機は、フレミングの左手の法則が使われています。
交流用の電動機の中で、三相交流式にはアンペールの右ねじの法則が使われています。
@電流の向き
A磁界の向き
参考資料:
絵で見る 電気の歴史
発電・送電・配電が一番わかる
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2進数・10進数・16進数
用語解説で2進数を説明しましたが、実はコンピュータは他の数値も扱っています。 それが、16進数です。 2進数や10進数と同じように、16になると繰り上がります。 0から9までは10進数と同じですが、11から15はAからFのアルファベットで表します。
10進数 | 2進数 | 16進数 |
0 | 0 | 0 |
1 | 1 | 1 |
2 | 10 | 2 |
9 | 1001 | 9 |
10 | 1010 | A |
11 | 1011 | B |
12 | 1100 | C |
10進数から2進数へ |
@もとの数字を2でわる 29÷2=14…1 A商(割り算の答え)を2でわる 14÷2=7…0 BAを、商が0になるまで繰り返す 7÷2=3…1 3÷2=1…1 1÷2=0…1 C余りを、下から順に並べる 11101 これで完成 |
2進数から16進数へ |
@2進数を4桁ごとに区切る 1,1101 この時、4桁に満たない部分がある場合は0で埋める 0001,1101 A下から順に、それぞれの位に、1,2,4,8をかける 0×8=0 0×4=0 0×2=0 1×1=1 --- 1×8=8 1×4=4 0×2=0 1×1=1 B積(かけ算の答え)を、かたまりごとに足す 0+0+0+1=1 8+4+0+1=13 C並べる 1,13 10以上は16進数に直す 1,D よって、 1D |
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電子回路
電子回路は、次のような図で示されます。
これは「回路図」と呼ばれ、「回路用図記号」という部品からなります。
回路用図記号は、電子部品の種類ごとに用意されています。
同じ部品でも、構造などで数種類もっているものもあります。
ただし、国ごとに表し方が違う場合があるので、注意が必要です。
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電磁石とトランス
電磁石の原理は、アンペールの右ねじの法則にあります。
コイルは、左のような物です。このコイルに、電流を右から左に向かって流すと、右の図にような向きの磁界が発生します。
磁石に鉄の釘をつけると釘も磁力を持つように、電流を流して磁界が発生しているコイルの中に鉄心を入れると、その鉄心も磁石の働きをします。
トランスは、次のようなものです。
この図の場合、Aに電流を流すとBには電圧が下げられて電流が流れます。 逆に、Bに電流を流すとAには電圧が上がった電流を流すことができます。 |
その答えは、左右のコイルの巻き数の違いと、電磁誘導にあります。
「利用と仕組み」で述べたように、電磁石は巻き数が多くなると力が増します。
これは、巻き数が多いほど、より多くの電気エネルギーを磁力として取り出せていると考えることができます。
逆に、巻き数が少ないと、電磁石としての力が弱まります。取り出せる磁力が少なくなっているのです。
また、
変圧器は、電信柱の上に、ポリバケツのような物に入れられて設置されています。
電信柱や家の中のコンセントは交流なので、定期的に電流の流れる向きが変化します。
これらを組み立てましょう。
図で、Aに電流を流したとします。すると、電磁石となっているコイルAの周りには、磁界が発生します。
これにより磁界が変化します。電磁石Bはこの磁界の変化で電磁誘導を起こし、Bの側に電流が流れます。
この時、電磁石Aと電磁石Bは巻き数が違うので、発生する電流の量が変わります。
巻き数はBの方が少ないので、Aで発生させた磁界の変化から取り出せる電流の量は少なくなります。
電圧は、オームの法則より、電流と電気抵抗の積になります。
左右の電気抵抗は等しくなっているので、電流が少ないBの方が、電圧が低くなるのです。
しかし、これだけでは、電流を流しはじめた一瞬しか電流は作れません。電流が安定して流れるようになると、磁界の変化もなくなるからです。
なので、トランスに流す電流は交流電流なのです。
交流電流は、定期的に流れる向きが変化します。
なので、交流電流が流れている電磁石が発生させる磁力と、それによる磁界は、常に変化し続けます。
このおかげで、電圧を変えて電流を流し続けることができるのです。
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交流を直流に
交流電流を直流電流にする回路は、様々なパターンがあります。
その中のひとつに、次のような回路があります。
ダイオードは、一方向にしか電流を流しません。流れる向きは、図の赤い矢印の向きです。
この回路にコンデンサがなければ、出される電流は次のようになります。
これでは、山と谷があり、あまり安定しません。
なので、電流を「ためて」、「放出する」コンデンサを回路に組み込みます。
すると、波は次のようになります。
電流をいっぱいまで「ため」、周りの電流が少なくなるとためていた電流を「放出」します。
これにより、谷を埋めているのです。
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3組の回路
三相交流発電は、3組の回路を使います。
3組とも発電する方法は同じですが、120°ずつずらして並んでいるので、出力される電流の波にずれが生じます。
3本の出力される電流の波は、次のようになっています。
ずれにより、3本の波の合計は常に0になっています。
このことを利用し、電線の数を決めています。
参考資料:
発電・送電・配電が一番わかる
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電磁波
マクスウェルに予言され、ヘルツが発見し、マルコーニが通信機として実用化した、今の社会には欠かせないものです。
光の一種で、電波もこの中に含まれます。
電場と磁場が影響し合い、波として放出されたものです。
この波が1秒間にどれだけあるかの単位を「Hz(ヘルツ)」といいます。
電磁波は、電流の流れが変わったときや、核分裂の時にも放出されます。
ラジオをつけて、ノイズだけの部分にあわせましょう。
この状態で、部屋の電気をつけたり消したりしてみましょう。雑音が、一瞬変化します。
これは、電気を操作したときに生まれた電磁波が伝わり、ラジオの回路に流れ込んだために起こります。
電磁波は波という一種の振動なので、それが物体に伝わるとその物体も振動します。
物体が振動すると、熱としてエネルギーを放出します。
これにより、水の粒を振動させて温めるのが、電子レンジです。
参考資料:
絵で見る 電気の歴史
図解雑学 電磁波