車が低重心なのはその方が安定するからと誰もが何となくは知っているが、
僕たちは自分たちなりに論理的にこれを証明しようと試みました。
そして物理がめっぽうできるT君にも協力をしてもらい遂に証明を完成しました。
高校一年生の現在知っている知識で作っているので間違い等あるかもしれませんがご了承ください。
図1
(証明)全高X㎝、車高X/10㎝、車幅X㎝、重量Mtの車があるとする。また、この車は※1剛体とする。
この車が角度θまで傾いたときにタイヤと地面の接点Aを回転軸として、
車にかかるモーメントが重心によってどう変化するかを計算する。
※また、重力加速度はgとし、有効数字は考慮しない。
重心が車体の底、中心部にある場合(オレンジの●)
角度青=角度赤=θ(図2を参照)
図2
①=M・g=Mg(図2では黄色の矢印)
②=①・cosθ=Mgcosθ(図2では赤の矢印)
③=①・sinθ=Mgsinθ(図2ではピンクの矢印)
図3
Ⅰ=X/2cm
Ⅱ=X/10cm
(Ⅰ、Ⅱは各線分の長さ=力)
モーメントの式
+方向…③×Ⅱ=X/10・Mgsinθ…④
―方向…②×Ⅰ=X/2・Mgcosθ…⑤
車が横転するのは、④>⑤のとき
よって、X/10・Mgsinθ>X/2・Mgcosθ
1/5・sinθ>cosθのとき
これを計算すると、
1/25・sin^2θ>1-sin^2θ
sin^2θ>25/26
sinθ>5/√26
sinθ>0.98058
これより
θ>約78°…⑥
重心が車体の天辺にある場合(紫の☆ 図4を参照)
角度青=角度緑=θ(図4を参照)
図4
①’=M×g=Mg(図4では藍色の矢印)
②’=①’×cosθ=Mgcosθ(図4では青色の矢印)
③’=①’×sinθ=Mgsinθ(図4では水色の矢印)
また、
Ⅰ’=X/2cm
Ⅱ’=X㎝
図5
モーメントの式
+方向…③’×Ⅱ=XMgsinθ…④’
―方向…②’×Ⅰ=X/2Mgcosθ…⑤’
ここで、車が横転するのは④’>⑤’のとき
よって、XMgsinθ>X/2Mgcosθ
2sinθ>cosθのとき
これを計算すると
4sin^2θ>1-sin^2θ
5sinθ>1
sinθ>1/5
θ>約26°…⑦
⑥と⑦より、重心が低いときのほうが許容される傾きの度合いが増加する。
このことより、車の重心は低いほうが車体は安定するといえる。
以上が僕たちの証明です。