前回、今現在から2060年にかけて、子供の数が減っていて、高齢者の数が増えていくことについて説明しました。このことによって問題が出てくるのが、社会保障制度です。
社会保障とは、国民が怪我、病気、失業、老齢などで生活が不安定になった時に、国が主体となって健やかで安心な生活を保障するという制度です。(社会保障制度審議会<社会保障将来像委員会第1次報告>(1993(平成5)年)) |
しかし現在、その社会保障制度が行き詰っているのです!
下のグラフを見てください。高齢化の進行に伴い、社会保障給付費は年々増加していて、平成26年度の予算は約110兆円を超えると見込まれています。
【社会保障給付費の推移】 |
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出典:「社会保障給付費の推移」(厚生労働省)
(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/05.pdf)より引用
なぜこんなに社会保障給付費が増えているのでしょうか?それは、高齢化が深刻化し、また医療技術の発達により人が長生きになったため、高齢者が増え、多くの年金や医療、介護などの社会保障費用が必要になるためです。
ここで、もう一度人口問題と合わせて考えてみましょう。
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【年齢区分別将来人口推計】 |
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出典:平成25年版 高齢社会白書 (2)将来推計人口でみる50年後の日本「9,6000万人を割り込む総人口」(内閣府) (http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2013/zenbun/s1_1_1_02.html)を加工して作成
上のグラフの通り、日本の出生率はこのままでは2060年までどんどん減少し続けると推計されています。高齢者が増え続けているのに、子供は少子化により減り続けています。よって、多くの老人を少ない労働者が支えることになるのです。
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出典:「社会保障・税一体改革について」「『肩車型』社会へ」(厚生労働省)
(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000297nt-att/2r98520000029akc.pdf)より引用
少子化と高齢化がこのまま続けば、1965年に高齢者一人を9.1人で支えていたのが、2050年には1.2人で支えなければならない「肩車型」社会になってしまいます。
なぜこのような事態になってしまったのでしょうか?
それは、日本の社会保障制度が「子どもがずっと増え続けること」を前提に制度が設計されているためです。これは「賦課方式」と呼ばれ、年金や介護保険などがこの制度をもとに運営をされています。
そのため、少子高齢化が進む現状においては、年金も介護保険も運用がどんどん困難になりつつあるのです。 |
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この事態は早く改善しなければならん!借金で賄うにも限界はあるぞ。今ある借金は、キミ達の未来に残されていくのじゃ…。
何かいい方法はないかのぉ… |
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