声の響く空間
音の性質でもあったように、音というのは空気の振動です。そして、音が伝わっていく中で音は空間で反射を繰り返して響きます。では、声が響く空間はどうなっているのでしょうか。息の当たる部分についても少し触れながら説明していきます。 声の響く空間は「鼻腔」「口腔」「咽喉腔」の3つに分けられます。下の図を見てください。「鼻腔」とは鼻の穴の奥にある空間です。実声の高い音やミックスボイスはここが響きます。風邪をひいた時など、鼻声のとき、鼻腔がよく響いています。口を閉じて、日本語の「ん」の音を出したり、ハミングをしたりする時はここを主に響かせるときれいに声がでると思います。
次に、「口腔」とはいわゆる口の中です。声を出すときは響いている比率は違うにせよ、ほとんどのときに響いています。この口腔において息の当たるポジションは大きく分けて「ハードパレット」と「ソフトパレット」の2つあります。 舌で口のなかの上のほうを触ってみるとわかるのですが、歯に近いところは固く(ここがハードパレット)、ここにきれいに息が当たると主に実声がとてもよく響きます。そして、その後ろは柔らかく(ここがソフトパレット)、ここはファルセットを響かせたりするときに使うことがあります。 息の当たるポジジョンというのは細かく分けるととてもたくさんあるので、自分で試してみると面白い発見があるかもしれません!
そして、「咽喉腔」ですが、「耳鼻咽喉科」という言葉にも入っているように、これはひと言でいえば喉の空間です。ここは他の2つと比べ細長いことが特徴です。ファルセットやホイッスルボイスを出した時に実声と明らかに違う響き方をしていると気づくのはここが響いているからです。
これらの空間はきれいな範囲は定まっておらず、つながっているので少しわかりにくいですが、実際に発声してやってみると大体の位置がわかると思います!
声質
例えば、ある2人の人間が同じ高さの声を発声した時に、高さは同じでも、なんとなく違って聞こえることはありませんか。それは、人の「声質」が一人ひとり違うからなのです。これは、楽器によって音質が異なるのと仕組みは同じです。少し難しい話になりますが、声というのは、ある一定の周波数を出した時に、その周波数の整数倍の音(倍音)が混ざり合って聞こえます。そして、一人ひとり声帯の振動や声帯自体が異なり、その倍音が人によって異なるため、結果的に「声質」が違い、同じ高さでもなんとなく違うように聞こえるのです。 楽器の場合は、振動する部分、振動するものが楽器によって違うため、同じような現象が起こります。
空間のところでも書きましたが、口腔で、息をあてるポジション、息をあてる角度を変えてみてください。少しずつずらしながらやっていくと自分の声が1番響くポイントがあるはずはずです。このポイントも人によって違います。 また、声を発する時の顔の角度も変えてみると面白いと思います。1番響くポイントは一般的には真正面を向いたところから上に30°くらい傾けたところの間のどこかにあるといわれています。ぜひやってみてください!
まとめ
※クリックするとカッコ内の単語が表示されます。
・声の響く空間は、3つに分けると( )、( )、( )である。
・声を出した時にほとんどの時に響いているのは( )であり、実声の高い音やミックスボイスは( )、ファルセットやホイッスルボイスは( )を主に響かせるとよい。
・同じ高さの声でも、違って聞こえるのは、( )が違うからである。
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・声の響く空間は、3つに分けると( )、( )、( )である。
・声を出した時にほとんどの時に響いているのは( )であり、実声の高い音やミックスボイスは( )、ファルセットやホイッスルボイスは( )を主に響かせるとよい。
・同じ高さの声でも、違って聞こえるのは、( )が違うからである。