四大公害病

公害は、大気汚染や騒音など、様々な問題が含まれています。また、「水俣病」などといった四大公害病も大きな問題となりました。

四大公害病とは?

四大公害病とは、高度経済成長期に発生した、「水俣病」「第二(新潟)水俣病」「四日市ぜんそく」「イタイイタイ病」のことを指します。

  •   年代 原因物質 被認定者数
    水俣病 1953~60年頃 メチル水銀 2,000人以上(~H28.3)
    第二水俣病 1964年頃~ メチル水銀 705人(~H28.3)
    四日市ぜんそく
    1960年頃~ 亜硫酸ガス 四日市ぜんそく以外の大気汚染による被害者数も含めた合計
    35,294人(~H27.12)
    イタイイタイ病 1950年頃~ カドミウム 200人(~H28.3)
    要観察者は3人(H28.3)
    水俣病

    水俣病は、1953年~1960年にかけて、熊本県の水俣湾で発生しました。水俣湾の魚介類が工業廃水に含まれていた「メチル水銀」を蓄積し、その魚介類を食べた人が手足・口などのしびれを訴え、死亡する人まで出ました。平成28年3月末までの被認定者数は、2,000人を超えています。

  • 第二(新潟)水俣病

    第二(新潟)水俣病は、1964年頃から、新潟県の阿賀野川流域で発生しました。水俣病と同様、水銀が原因です。平成28年3月末までの被認定者数は、705人です。

  • 四日市ぜんそく

    三重県四日市市を中心に、1960年頃から発生。石油化学工場から排出される「亜硫酸ガス」による大気汚染が原因です。大気汚染による被害は、四日市以外でも、神奈川県や東京都、千葉県などでも発生しました。四日市ぜんそく以外の大気汚染による被害者数も合わせると、平成27年12月現在、3万5294人にのぼります。

  • イタイイタイ病

    イタイイタイ病は、1955年、奇病として学会に報告されました。富山県神通川流域で発生し、原因は、鉱山の排水に含まれる、カドミウムです。平成28年3月現在の被認定患者数は200人で、イタイイタイ病に発展する恐れがある「要観察者」は3人です。

公害対策基本法の制定

四大公害病を受け、1967年8月3日に「公害対策基本法」が公布・施行されました(現在は「環境基本法」に統合され、廃止された)。この法律では、「大気汚染」「水質汚濁」「土壌汚染」「騒音」「振動」「地盤沈下」「悪臭」の7つを公害とし、守るべき環境基準排出規制についても決まりました。

ワークシート

ワークシートの書き方はこちら(PDF)

POINTと意見

POINT

  • 四大公害病の名前・発生場所・原因物質は重要。
  • 公害対策基本法の7つの公害は、公害問題について考える上で基本となる。

僕たちの意見

工場排水などが原因で、公害病が発生するということを、もっと早く気づいて、もっと早く法整備をしていれば、ここまで被害が広がらなかったのかなと思いました。逆に言えば、もっと法整備や認知が遅かったら、さらに被害が広がってしまい、”五大公害病”になっていたかもしれません。
発展が続く日本で、また公害病が広がる可能性もあります。そういったときにどのように動くべきなのか、考えていく必要があると思いました。


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