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七十一 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞ吹く
七十二 音にきく たかしの浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
七十三 高砂の をのへの桜 咲きにけり 外山のかすみ 立たずもあらなむ
七十四 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
七十五 契りおきし させもが露を いのちにて あはれ今年の 秋もいぬめり
七十六 わたの原 こぎ出でてみれば 久方の 雲ゐにまがふ 沖つ白波
七十七 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思う
七十八 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守
七十九 秋風に たびなく雲の たえ間より もれ出づる月の かげのさやけさ
八十 長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れてけさは 物をこそ思へ