私たちの体や、食べ物、空気、水などの身の回りのすべての物質は「原子」の結びつきによってできています。原子は「原子核」とその周りを動く「電子」からできています。さらに、原子核は「陽子」と「中性子」からできています。原子は陽子の数(原子番号)によって性質が異なります。また、原子は、約1億分の1㎝のとても小さい大きさです。さらに原子核は小さく、約1兆分の1㎝しかありません。物質を構成する原子の種類を「元素」といい、世界に約110種類ほど存在します。
原子核には、自然に放射線を放出して別の原子核に変わっていくものがあり、原子核から出る放射線は、高速の粒子の粒子線であるアルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線のことです。
ウラン235の原子核に中性子が当たると核分裂を起こします。その時、核分裂生成物の生成とともに、熱エネルギーと中性子が放出され、この中性子がさらに別のウラン235に到達すると、また核分裂を起こします。これを核分裂の連鎖反応といいます。原子力発電所はウラン235の場合、制御棒、水などを使って中性子の数やスピードをコントロールすることで安定的に核分裂を起こすようにしているのです。一方、ウラン238はほとんどが核分裂せず、中性子を吸収して核分裂のしやすいプルトニウム239に変化します。