処分地にするには、様々な条件を満たす必要があります。ここでは、どのような条件が良いのか、その条件が満たされないとどうなるのかについてお伝えします。
科学的特性マップでの条件もお伝えします。
マグマが貫通することにより処分場が壊れ、放射性廃棄物が漏れ出る可能性があるため、直接マグマが来ることがなくても、伝わってくる高温の熱によりバリアが壊れてしまうかもしれません。 また、火山の影響により地下水のpHが低くなり、バリアが壊れるかもしれません。
条件:
○マグマの貫入や地表への噴出
・第四紀火山の中心から15km以内
・第四紀の火山活動範囲が15kmを超えるカルデラの範囲
○高温の影響
処分深度において緩衝材の温度が100℃未満を確保できない地温勾配の範囲(「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次取りまとめ」 における検討を参照すると、15℃/100mより大きな地温勾配の範囲)
○化学的な影響
地下水の特性として、pH4.8未満あるいは炭酸化学種濃度0.5mol/L以上を示す範囲
地層の変形などによりバリアが壊れる危険性や、断層のずれにより地下水が処分場に流れ込み、放射性廃棄物が漏れ出る危険性があるため
条件:
○活断層に、破砕帯として断層長さ(活動セグメントの長さ)の1/100程度(断層の両側合計)の幅を持たせた範囲
○活断層に、破砕帯として断層長さ(起震断層の長さ)の1/100程度(断層の両側合計)の幅を持たせた範囲
地下施設ごと隆起してしまったり、侵食により地面が削られることで人々の生活環境と放射性廃棄物との距離が近くなったりしてしまう
条件:
○全国規模で体系的に整備された文献・データにおいて、将来10万年間で隆起と海水準低下による侵食量が300mを超える可能性が高いと考えられる地域(具体的には、海水準低下による最大150mの侵食量が考えられる沿岸部のうち、隆起速度最大区分(90 m以上/10万年)のエリア
鉱山資源の探査・採掘により、将来の人が誤って放射性廃棄物までも掘り返してしまうかもしれないため
条件:
○鉱業法で定められる鉱物のうち、全国規模で整備された文献データにおいて、技術的に採掘が可能な鉱量の大きな鉱物資源の存在が示されている範囲(ただし、当該地域内においては、鉱物の存在が確認されていない範囲もあり、調査をすればそうした範囲が確認できうることに留意する必要がある。)
輸送に便利だから
条件:
○沿岸から20km程度を目安とした範囲(標高1,500m以上の場所は除く)