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働き方改革はなぜ始まった?


1,少子高齢化

 現在の日本の人口は1億2614万人(令和元年10月1日現在)といわれています。この人口は、世界的に見ても多い方です。しかし、現在の日本人の人口は年々減少しており、2055年には総人口が1億人を下回るとの予測もあります。問題は、人口が単に減っているだけでなく高齢者が増加し子供(将来の働き手)が減少していることです。今、日本にいる65歳以上の方の割合は28.1%(令和元年10月1日現在)です。そして、日本人の3人に1人が高齢者になるという時代がもうそこまで来ているとの予測もあります。また、子供の数も38年連続で減少と少子高齢化が着々と進行しています。

 少子高齢化社会がもたらす、働くという面への影響は、働き手が減少することで労働力が減少し、少ない人数でより効率的に働くことが求められるようになってくることです。さらに、日本全体の経済の動きに支障が出てくるという危険性もあるのです。

-参照:総務省統計局 日本の人口の推移-

2,過酷な労働環境が見つかった

 日本は近年になって、長時間労働によって自殺をする人が増えてきて、長時間労働是正の動きが目立つようになってきました。確かに平成23年まで、勤務問題を原因の一つとする自殺者数は増加傾向にありました。しかし、平成23年からは減少傾向になっています。
 減少傾向にあるからと言っていいという話ではありません。グラフからもわかるように、近年は、自殺者の9割近くが勤務問題が原因で自殺しているのです。

自殺者数の推移 勤務問題を原因の一つとする自殺者数の推移

参照:厚労省PDF-過労死等の現状

 さらに、ここ最近になって、日本の長時間労働が国際社会からも問題視されるようになってきました。例えば、2013年には国連から、「長時間労働及び過労死の是正」が要求されました。

3,他の国に追いつくことができない

 日本は、一昔前まで世界の経済を牽引する存在でした。しかし、近年は世界に比べて後れを取っています。日本は労働生産性が主要7か国(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の中で47年連続最下位です。つまり、沢山働くけど全然経済が回っていないという状況が47年も続いているのです。

OECDのデータを参考に作成

 このままではダメだとこの問題に取り組み始めたことも働き方改革が広まるきっかけとなりました。効率良く働くことが労働生産性の向上につながるのではないのかと考えたのです。

労働の歴史
日本人の国民性