巣から採れるもの
蜜蝋
ミツバチの巣板を溶かして精製したものです。
ミツバチはお腹のあたりに
また、さなぎになりそうな幼虫の巣房にふたをするのもこの蝋です。はちみつを食べた量のおよそ一割の蜜蝋が分泌できます。花蜜を集める外勤バチよりも、巣の中で働く内勤バチのほうが蜜蝋をたくさん作るようです。
蜜蝋はヨーロッパや東南アジアでは昔からろうそくに使われていました。中世の教会のろうそくは蜜蝋から作られていました。教会はほのかなはちみつの香りにつつまれていたのかもしれませんね。現在もろうそくに加工される他、リップクリームやハンドクリームなどの化粧品に使われています。食べることもできます。
蜜蝋を腹部に付けているミツバチ(写真中央)。
魚のウロコのような白い物が蜜蝋である。
蜜蝋を固めて作られたキャンドル。
使われなくなったハチの巣から採れる蜜蝋を利用した。
参考文献
Rowan Jacobsen 『蜂はなぜ大量死したのか(原題 Fruitless Fall)』 文芸春秋、2009年
久志冨士男 『ニホンミツバチが日本の農業を救う』 高文研、2009年
渡辺孝『ミツバチの文化史』 筑摩書房、1994年
越中矢住子『ミツバチは本当に消えたか』 SoftBank Creative、2010年
フォーガスチャドウィック, スティーブオールトン, エマ・サラテナント, ビルフィツモーリス, ジュディー アール
『ミツバチの教科書(原題 The Bee Book)』 エクスナレッジ 、2017年
一般社団法人 日本養蜂協会 ホームページhttp://www.beekeeping.or.jp/