Why?どうして学校に行っていないの?

十分な調査が行われていないため、正確にはまだわかっていません
  • 就学状況を把握する取り組みに対して「特に実施していない」と答えた自治体が65%もあった。
  • 全国の地方公共団体のうち37.3%は、 外国人の子どもがいる家庭に就学案内を送付していない。
  • 送付している場合でも、対象は小学校もしくは中学校「新入学」相当の年齢(注)の子どもがいる家庭であるため、 それ以外の義務教育相当年齢の子どもがいる家庭には就学情報は行き届いていないことになる。
    (注)各地方公共団体が判断する年齢だが、概ね6-7歳及び12-13歳と考えられる。文部科学省は調査の際に年齢を明示していない。 矢沢朋子「「外国人の子どもの不就学ゼロ」で就職先としての日本をアピールしよう!」大和総研グループ,2019年12月02日より)
  • 外国人が住民登録に係る手続きを行う際、あわせて就学に関する説明を行う地方公共団体は84.3%。 しかし、「先方から就学希望があれば」や「就学に関する資料配布のみ」など、積極的な就学説明を行っていなかったり、 就学案内をしていても日本語のみの記載のところも多くある。 文部科学省「外国人の子供の就学状況等調査結果(速報)」より)



考えられる原因

Reason1.
日本人との違いを理由にいじめられるかもしれないから。




Reason2.
共働きで労働条件の厳しい両親に変わって弟妹などの世話をしなければならないから。




Reason3.
外国人登録に基づき郵送される「就学通知」が転居や登録未完了で送付されない、 送付されたとしても読むことが難しいから。



本当は誰にでも認められるべき権利なのに

子どもの権利条約

第28条 (教育への権利)

1.締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に、

  • 初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。
  • 種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。)の発展を奨励し、 すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、 かつ、これらを利用する機会が与えられるものとし、 例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。
  • すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられるものとする。
  • すべての児童に対し、教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとする。
  • 定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。

1.締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に、

  • 初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。
  • 種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。)の発展を奨励し、 すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、 かつ、これらを利用する機会が与えられるものとし、 例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。
  • すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられるものとする。
  • すべての児童に対し、教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとする。
  • 定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。

外務省「「児童の権利に関する条約」」 より)




外務省ホームページ

わが国では、初等教育は、心身ともに健康な国民の育成を期して、 国民として必須の教育を授けることを目的として行われています。 したがってこのような目的の下に日本語で行われる初等教育を外国人に強制的に受けさせることは実際的ではないと考えられることから、 希望する外国人に対しては、初等教育を無償で開放することとしていますが、 これを強制することまでは考えておりません。

外務省「世界人権宣言と国際人権規約(はじめに)」 より)

まあや

子どもの権利条約では、「誰もが平等に教育を受けられるように 締約国が義務教育や中退の減少に向けて努力していこう」って書いてあるのに、 日本に住んでいる外国籍の子どもたちは義務教育が保障されていないんだね。 「強制することまでは考えておりません」って文章ももやもやするな…。 そもそも義務教育を受けることを「希望する」なんて変な話だし、 本当に外国籍の子どもたちは希望すれば全員が十分な教育を受けられるのかな?






入学を断られることもある

「日本語がわかるようになってから、もう一度きてください」

来日してまもない外国籍の子どもが、 自宅のある自治体窓口で公立学校への就学手続きをしようとしたところ、こう言われたそう。 学校の中で日本語を教えたり、通訳がサポートに入ったりするような支援がなく、 学校に来てもらったとしても「放置」となってしまうため、子どもがかわいそう、という理由で 自治体からこのような「門前払い」に近い対応をされるケースが少なくない。 この場合、就学手続きの前に入学を断られてしまったため「日本語指導が必要な子ども」としても認識されない。 もし、保護者が「日本語ができるようになってから」と言われた時点で就学をあきらめてしまったり、 近くに日本語教室がない状況だったりしたら、このような子どもたちは日本語ができないまま、 不就学、就学待機状態が長期化し、ただ自宅に篭って過ごすような日々を過ごすことになってしまうだろう。 田中宝紀「”善意”が招く外国にルーツを持つ子どもの就学待機問題ー日本語ができないと、学校に行けないの?」Yahoo!ニュース,2017年8月18日 より)


Step4   学校に行けていない子どもたち
  • 問題点


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