フラワーロスとは

 フラワーロスとは、生産された花が消費者の手に渡ることなく廃棄されてしまうことです。花の必要性が少なくなってしまったことで、花を購入する人が減り、廃棄される花が増えるようになってきました。更に、新型コロナウイルスが流行し、花を使う場面が少なくなってしまいました。
 生産された花のうち、30~40%は廃棄されると言われており、現在の日本の花の廃棄量は年間10億本を超えています。
 切り花はイベントの中止で廃棄量が増えたり、鮮度の劣化がはやいため売れ残ると確実に廃棄されてしまったりするなどの問題があります。
 花苗では、過剰生産による売れ残りがあったり、管理コストがかかったりするため廃棄となると生産するためにかかったコストが無駄になったりするなどの問題があります。


SDGs

 フラワーロス削減の取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に直結しています。この目標は、持続可能な生産消費形態を確保することを示した目標です。
 廃棄物を減らし、資源を効率的に利用でき、地球にやさしく、フラワーロスの削減は、目標12にある「持続可能な生産消費形態」を実現するためにとても重要です。


フラワーロスの原因

生産での原因

 フラワーロスの主な原因の1つ目は生産での原因です。

規格外


 規格外の花は廃棄されてしまいます。規格はとても厳しく、合っているか厳密にチェックされます。もし、規格の基準が低くなった場合、出荷本数は増やすことができますが、品質が下がったとみなされてしまい、単価が下がってしまうという問題があります。

需要予測


 花の需要は季節やイベントによって大きく左右されるため、それに合わせて作る必要があります。しかし、猛暑が続いたり、日照不足が続いたりすると、開花の時期が変わってしまいます。そうなると需要期に供給することができなくなってしまいます。また、予測を誤ってしまい、生産量が需要を上回ってしまうこともあります。


輸送での原因

 フラワーロスの主な原因の2つ目は輸送での原因です。

輸送環境


 花は高温・多湿にとても弱い植物です。高温にさらされると、すぐにしおれたり、腐敗が進んでしまったりします。また、乾燥も花の品質を大きく左右させてしまいます。輸送中に水分を失ってしまうと、花びらや葉がしおれてしまい、商品としての価値を失ってしまいます。

輸送中


 トラックでは、揺れや荷物の積み下ろし時の衝撃で花に傷がつくことがあります。見た目の美しさが損なわれるだけでなく、傷ついた部分からバクテリアが繁殖して、腐敗につながるなど、商品価値がなくなってしまいます。
 また、花を輸送する際には、箱の中で動いたりしないようにしっかりと固定したり、適切な梱包材を選んだりすることが大切です。しかし、梱包方法に不備があってしまうと、他の荷物にぶつかってしまって花が傷ついたり、花が脱水症状になってしまったり、急な温度変化に耐えられなくなってしまったりします。

輸送時間


 花は、生産者から消費者の手に届くまでに、農協、卸売市場、仲卸業者、小売店など複数の段階を経ることが一般的です。この複雑な流通経路が輸送時の時間を長くしてしまい、鮮度が落ちるリスクを高めてしまいます。
 また、輸送時間が長いことで水分が失われてしまい、茎や花びらがしおれる原因となります。


消費での原因

 フラワーロスの主な原因の3つ目は消費での原因です。

店頭での売れ残り


 花は生鮮品であり、鮮度が命です。花屋に並んでいる花はその日のうちにすべて売り切れるわけではありません。花が鮮度を保てる期間は数日から一週間程度で、時間がたつにつれて徐々に鮮度が落ちてしおれたり、色あせたりして、見た目が悪くなります。

習慣の変化


 かつては、花を家に飾ることが当たり前の時代がありました。しかし、核家族や共働き世代の増加により、花を飾る手間をかけられない家庭が増えています。

需要の限定


 花の需要は、特定の時期に偏りがちです。クリスマスやお盆、卒業式などに需要が集中するため、その時期に大量に生産・流通されます。しかし、イベントが終わると需要が急減し、大量に花が余ってしまいます。

フラワーロスの問題

資源での問題

 フラワーロスの主な問題の1つ目は資源での問題です。

生産資源


 花を育てるためには土地や水、肥料、エネルギーなどの資源が必要です。これらの資源が無駄に消費されてしまうと、持続可能性に影響を与えてしまいます。

輸送資源


 花は多くの場合、輸送されて販売されます。しかし、花が売れずに捨てられることになると、輸送時に使われたエネルギーや燃料が無駄になってしまいます。

農業資源


 栽培された花が売れずに捨てられてしまうことで、農家の労働力や資源が無駄になってしまいます。  


環境での問題

 フラワーロスの主な問題の2つ目は環境での問題です。

廃棄物


 残ってしまった花は、廃棄されてしまいます。そのため、ごみの増加や埋立地への負担を増加させてしまいます。

温室効果ガス


 売れ残った花の多くは焼却処分されるため、温室効果ガスである二酸化炭素の排出につながってしまいます。また、輸送時に大量の燃料が消費され、二酸化炭素の排出が増加しています。

農薬や化学肥料


 大量生産される花の栽培には農薬や化学肥料が使われることが多いです。これらは水質汚染などを引き起こす可能性があります。そのため、環境への影響を無駄に広げてしまいます。  


経済での問題

 フラワーロスの主な問題の3つ目は経済での問題です。

売れ残り


 花屋などが売れ残った花を廃棄する場合、花を仕入れたコストが無駄になってしまいます。

農家


 農家などは、花が売れなかった場合、利益に直接影響してしまいます。花を栽培するためのコストが回収できなくなってしまい、経済的に大きな損失を得ます。

消費者


 消費者が花を購入する際、無駄に多くの花を購入してしまうことで、飾ることなく無駄にしてしまうケースもあります。  

参考文献 取材

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