ずんだ餅

東北地方や関東地方北西部を中心とした地域の家庭料理です。風物詩ともなっています。
枝豆を茹でてつぶしたものが「ずんだ」と呼ばれていています。
ずんだは良質の枝豆がとれる東北ではポピュラーで、だし汁を加えてあえ物に使ったり餅に使われたりしています。

ずんだ餅はこのずんだを甘く味付けしたものを小さな餅に付けた料理です。
また、ずんだ餅は枝豆で作られたものだけでなくソラマメで作られているものもあります。
鮮やかな緑色が特徴的です。
ずんだ餅を店で扱っているところもありますが、東北では客をもてなすときなどに家庭で作られることが多いです。

語源は「豆打(ずだ)」です。
それが長い間に「ずんだ」と訛り、いまでは「ずんだ」が一般化しています。
店によっては「じんだん」と表記されていることもあります。
最近、商品化が進みクレープやアイスクリームなども開発されて全国的にも有名になってきています。

「ずんだ」の作りかた
1、枝豆をゆでる。
2、豆をさやから取りだし、薄皮をとる。
3、すり鉢を使い、ペースト状になるまでつぶす。
地域によっては、多少粒が残る程度につぶしたり、完全にすりつぶしたりとさまざまです。


ういろう

名古屋の名物の和菓子です。
見た目は、ようかんとよく似ています。 米粉などの雑穀に砂糖を混ぜて蒸したものです。
室町時代ごろには、黒糖を使ったものが多く、薬の口直しとして食べられていました。

名古屋地域では1659年頃から作られるようになり、名古屋駅で売られていたのをきっかけにしてういろうは名古屋名物となりました。
和菓子店やスーパーでもよくういろうを見かけるそうです。

「ういろう」の名前の由来
14世紀ごろの中国に、「礼部員外郎」という薬を調達する役職がありました。
その人たちが、日本に足利義満によって招かれてきたときに薬を作り、それを外郎(ういろう)と呼ぶようになりました。
薬と一緒に伝えられた、口直しのものもういろうと呼ばれるようになったという説と、
その薬の形がよく似たお菓子だったため、ういろうという名前になったという説があります。
日本には遅くとも1642年には伝わっていたとされています。



八ツ橋

八ツ橋は京都の和菓子を代表するものの1つです。
京都に来て土産として菓子類を購入するひとの半分ぐらいの人は八ツ橋を買っている、というデータもあります。

実は八ツ橋は、
●米粉・砂糖・シナモンでできた生地を蒸し、できたものを切った生八ツ橋
●正方形の生八ツ橋で餡を包んだもの
●蒸した生地を焼きあげて箏(橋のという説もある)の形にした堅焼きの煎餅のような八ッ橋
の3種類があります。
焼かれた八ツ橋の始まりは、江戸中期にあたる1689年から茶店で出されていたことです。

京都みやげとして駅などで売られているものは、2番目の、「生八ツ橋であんを包んだもの」が一般的です。

わが校地元の京都駅でも、改札内外の売店でたくさんの八ツ橋が売られています。
幾つものメーカーが、それぞれ工夫した商品を出しています。

生八ツ橋では、生地の味としてシナモン(京都では「ニッキ」と呼びます)の他に、抹茶、さくら味などもあります。
この中でも抹茶味は人気で、しばしばさくら味とセットにして売られています。

昭和3年、昭和天皇即位の祝賀の行事が京都で行われ、京都駅では大勢の人たちが京都みやげとして八ツ橋を買い求めました。
それがきっかけで、八ツ橋は全国的に有名な菓子となりました。



炭酸せんべい

兵庫県有馬温泉や宝塚温泉の名産のお菓子です。
丸い形をした10cmぐらいの薄いパリッとしたせんべいです。

きつく甘いわけでもなく、しょうゆなどで味付けをされるわけでもありませんが、
なぜか食べ始めたらとまりません。

表面にはおうとつのある文様がかかれています。

ほかのせんべいと同じように、小麦粉・砂糖・でんぷん・食塩が入っているのですが、 ほかに温泉の炭酸泉水が加えられています。
炭酸泉は、有馬温泉で湧いている温泉のひとつで、名前の通り炭酸を含んでいます。
ほかにも有馬温泉には塩分や鉄分を含んだ金泉、ラジウムを含んだラジウム泉などがあります。
最近は、二枚重ねにした炭酸せんべいの間に、
チョコ・抹茶・バニラなどのクリームを挟んだタイプも発売されています。(風月堂の「ゴーフル」に近いです)

炭酸せんべいの歴史
神戸市は、サイダーの発祥の地とされています。
明治40年ごろに地下の湧水で治癒成分を含んだ水として認められた炭酸水を
利用したせんべいを作ろうと考えたのがきっかけです。
試作を繰り返して誕生した炭酸せんべいは神戸を代表するお菓子となりました。
おなかに優しいので小さい子供からお年寄りにまで人気です。



きびだんご

日本では誰もが知っている昔話の「桃太郎」。
きびだんごは、その昔話のキーであり、日本人で知らない人はいないほど有名です。
そのきびだんごは、桃太郎ゆかりの地である岡山県の名産です。

山陽新幹線では、車内販売のメニューのひとつにあります。
「岡山みやげ」の代表格の一つです。

吉備団子はだんご、というより一般的な和菓子に使われているもちのような食感です。
もちのような食感に、ほんのりと甘い味付けです。

きびだんごは、もち米や砂糖、水飴のほかに「キビ」という雑穀で風味付けされています。
吉備団子と桃太郎のきびだんごには、直接的な関係はないとされていますが、
メーカーによっては、「桃太郎」とコラボしたと思われるきびだんごもあります。



もみじ饅頭

もみじ饅頭は、言わずと知れた広島県にある日本三景「安芸の宮島」のおみやげ和菓子です。
現在は宮島に限らず広島県内どこでも買うことができ、「広島みやげ」として有名です。
「広島に行く」という声を聞けば、「もみじ饅頭買ってきてね」という返事を聞くことも珍しくないです。
生地は小麦粉、はちみつ、砂糖、卵を混ぜたカステラ状のもので、中には餡が入っています。
これをもみじの葉にかた型で焼かれたものがもみじ饅頭です。
昔は、一つ一つ職人の手で焼きあげられていましたが、現在は機械で自動的に焼かれています。
ちょっと残念な気もしますが、均一な品質の商品を作ることができるようになったそうです。
あんの種類もたくさんあります。一例をここに紹介しましょう。

・こしあん
・つぶあん
・白あん
・抹茶あん
・チーズあん
・チョコレートあん

たくさんの種類がありますね。
その他にもメーカーによってたくさんのあんが開発されています。
一度はすべての味を食べてみたいと思いませんか?



かるかん

鹿児島県を中心とした九州地方特産のお菓子です。
見た目は、普通の饅頭と変わらないように見えます。

しかし、「かるかん」は、生地だけで、中には何も入っていません。
「生地」そのものを味わうのです。

生地はほのかに甘く、もちもちっ、としています。
非常にシンプルな味わいで、熱いお茶とよく合います。

その生地の原料には砂糖のほかにうるち米を乾燥させたかるかん粉や山芋が使われています。
それを混ぜた上で蒸して完成です。

かるかん粉を作っているメーカーもたくさんあるので、家庭でもよく作られています。

かるかんはもともと、ようかんのように棒状でしたが、今では中に餡の入った饅頭もポピュラーになっています。
鹿児島県民は、餡が入っているものとそうでないものを区別するために、
中の餡がないものを「かるかん」、中に餡があるものを「かるかん饅頭」と呼び分けています。

かるかんの歴史
日本の薩摩藩で1600年後半頃に誕生しました。
原料の山芋が薩摩藩のシラス台地で自生していたため、薩摩藩で誕生することになりました。
藩主の献立にもかるかんの記載がありました。
今でも山芋は鹿児島でたくさんの料理に使われていて、山芋祭りも開催されています。



ちんすこう

沖縄といえばちんすこうと言うほど有名です。
ちんすこうは、ラードと小麦粉と砂糖で出来ています。
昔は、米で作られていたのですが、最近は小麦粉で作られたもののほうが多いです。
ちんすこうは、中国と日本の両国の影響をうけている琉球独特のお菓子です。
15世紀頃には、琉球王朝や貴族が特別な日にしか食べられない高級なものでした。
それから年月が経ち、琉球博をきっかけとし、ちんすこうは沖縄土産として一般的なものになりました。

ちんすこうの語源は、中国の蒸しカステラの名前が琉球なまりでちんすこうとなったという説と、
ちんは「珍」「金」という意味で、すこうはお菓子という意味で、あわせて高級なお菓子という意味を表しているという説があります。

今では、黒糖紅イモのちんすこうなどたくさんの種類があります。