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日本食の四季

和食と言ったら何を思い浮かべるでしょうか?
 日本とほかの国との決定的な違いは、おそらく「四季」があることではないでしょうか。
 和食の特徴的な違いの一つに、「彩りを大事にする」ことがあげられます。春夏秋冬の季節が移り変わる日本では、食文化に「美しさ」が求められています。
 また、それぞれの食材のもっとも美味しい時期に合わせて「旬」の料理が生まれました。
和食文化は、四季という日本の特徴的な気候条件と密接に関わっている、日本のもっとも独特な文化の中の一つだといえます。

日本には春、夏、秋、冬と、四季があるため、世界の中でも珍しい国の一つです。もちろん日本食も例外ではなく、四季を感じさせるその食材、見た目は、海外からの人気ぶりを支える大きなポイントとなっています。加えて日本には、自然の動きに合わせて特別な料理をいただく「行事食」の文化があります。
 ここでは、春、夏、秋、冬それぞれの日本食の姿を学んでいきます。


日を追うごとに暖かくなり、一年のはじめにある春では、たけのこ、ふきのとう、たらの芽などの草木の新芽や、そらまめ、さやえんどう、グリーンピースなどの豆類が旬を迎えます。

魚では、鯛、鰊(にしん)や、魚に春と書く鰆(さわら)がこの季節に旬を迎えます。

3月3日の上巳(じょうし)の節句は桃の節句とも呼ばれ、縁起物のひし餅が食べられています。ひし餅は上から赤、白、緑と三層に重なっており、赤は桃の花、白は残雪、緑は新緑を表しています。

5月5日の端午の節句は菖蒲の節句とも呼ばれ、粽(ちまき)や柏餅が食べられています。
 粽といっても現在のイメージとは大きく異なり、初めはもち米を丸めて笹などの葉で包んだだけの、真っ白なものでした。
 柏は新しい葉が育つまで古い葉が落ちないため、「子孫繁栄」のゲンを担いで柏餅に使われるようになったと言われていて、この風習は江戸時代に生まれたと言われています。








昼も長くなり、じりじりと太陽が照り付ける夏には、瓜(うり)の仲間と、なすの仲間に代表される多くの夏野菜が旬を迎えます。

瓜の仲間では、胡瓜(きゅうり)、南瓜(かぼちゃ)、冬瓜(とうがん)の他に、「西瓜」と書くスイカが挙げられます。これらには体を冷やす効果があるため、夏の暑さでほてった体を冷ますのに絶好の食材となります。
 ちなみに冬瓜は冬に瓜と書きますが、これは冬まで貯蔵しておけることから名が付いたもので、れっきとした夏野菜です。なので注意が必要ですね。

なすの仲間では、トマトやピーマン、パプリカなどが挙げられます。これらの野菜は栄養価が高く、特にビタミンCを多く含むため、夏バテを防ぐにはもってこいの食材です。

7月7日、七夕の日にはそうめんが食べられています。これは、小麦粉を用いた中国の料理である索餅(さくべい)というものがもとになったと言われていますが、ほかにも、天の川に見立てたり、織姫が使う織り糸に見立てたりして食べられるようになったという考えもあります。

土用の丑の日には、うなぎが食べられています。この風習は江戸時代に生まれたもので、実は、エレキテルの発明で有名な平賀源内が作ったと言われています。夏にうなぎが売れなくて困っているうなぎ屋の友人のために、「土用の丑の日にはうなぎを食べよう」という宣伝文句をつけたところ、彼の店は大繁盛したということがきっかけで、今日まで続いているというわけです。
 もともと土用の丑の日には「う」のつくものを食べると縁起が良いとされていたので、民衆に広がりやすかったのかもしれませんね。







暑さも落ち着き、稲が首を垂れる秋には、まさしく「実りの秋」、「食欲の秋」と呼ぶにふさわしいほどの食材が旬を迎えます。

例えば、じゃがいも、さといも、さつまいもなどのいも類は、夏の日差しをたっぷりと吸収して、栄養分を蓄えているため、でんぷん、ビタミンCが豊富に含まれます。

果物では、ぶどう、梨、くり、柿やりんごなど、日本でポピュラーな果物の大半がこの時期に旬を迎えます。木にできる果物のほとんどはこの時期に収穫されるため、希少価値を高めるためにあえて時期をずらして収穫することもあります。

さらに、秋はキノコのシーズンでもあります。椎茸、しめじ、えのき、舞茸など、身近にあるキノコは、秋に旬を迎えます。ですが、育てるのが簡単であるため、今みなさんが食べているキノコのほとんどは人工栽培で作られたものとなっています。「キノコは秋が旬」というイメージは、恐らく松茸くらいでしか感じられないのではないでしょうか。

この頃、魚では鮭やサンマが旬を迎え、全国の食卓に並ぶのは言うまでもありませんね。魚の脂には善玉コレステロールが、サバやサンマに代表される青魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やIPA(イコサペンタエン酸)がたくさん含まれ、血液をサラサラにさせる働きがあります。

9月9日、重陽の節句は菊の節句とも呼ばれ、菊の花びらをお酒に浮かべた菊酒をたしなむ習慣があります。菊は平安時代に中国から伝来し、現地では薬効があるとされていたことから、貴族たちは菊を眺めて、長命や邪気払いを願っていたといいます。
 一方農民たちは、ちょうどこの頃が収穫の時期となり、お祝いに栗ごはんを食べていたといいます。そして江戸時代には、重陽の節句に栗ごはんを食べる習慣が出来たとされています。
 現在、重陽の節句は栗の節句とも呼ばれます。







木々は葉を落とし、雪がしんしんと降り積もる冬では、厳しい寒さによって葉物野菜が甘味を増してきて、旬を迎えます。葉物野菜は白菜、ねぎ、ほうれん草などに代表されます。鍋に使う食材と言えば分かりやすいでしょうか。また、大根やごぼうなどの根菜類もこの時期に旬を迎えます。

果物では、みかん、いよかん、レモンなどの柑橘類(かんきつるい)が収穫されます。こたつの上のみかんを想像すれば、イメージはつかみやすいのではないでしょうか。

しかし、冬は採れる食材が少ないため、かつては多くの食材を保存食として加工していました。たくあんやぬか漬けなどの漬物は、その代表だといえますね。漬物にする以外にも乾燥させるなどの加工方法があり、保存が効くうえにうま味が増すなど、多くのメリットがあるため、古くから愛されてきました。

12月22日の冬至の日には、南瓜を食べる風習があります。南瓜は「かぼちゃ」と読むんでしたね。この風習は江戸時代に生まれたもので、南瓜には栄養分が豊富なため風邪の予防になるとして食べられるようになったといいます。
 もともと年末には「ん」が最後に付くものを食べると運気が上がるとされており、「なんきん」と読むことができる南瓜は、「ん」が二個もついていることから縁起物として食べられているという話もあります。

12月31日、大みそかの日には年越しそばを食べる習慣があります。これは有名な話かもしれませんが、そばには「細く長く」という意味が込められ、長生きを願って食べられているといいます。他にも、そばは切れやすいことから「悪縁を断ち切る」とされたり、金銀細工の職人がそば団子を使って金粉や銀粉を集めていたことから「お金が集まる」とされたりして、多くの願いが込められていたといいます。

1月1日、年明けにはおせち料理をいただく習慣がありますね。おせち料理に使われている食材には実に多くの願いが込められています。例を挙げると、
 黒豆 : 「まめ」にコツコツと働ける
 海老 : 腰が曲がるまで長生きできるように
 栗きんとん : お金が増え、豊かに暮らせるように
 数の子 : 子孫が繁栄するように
 田作り : お米がたくさんとれるように
 鯛 : 「めでたい(鯛)」という語呂合わせ
 昆布 : 「よろこんぶ(昆布)」という語呂合わせ
などがありますね。ぜひとも残さずにいただきたいものです。

1月7日、人日の節句には七草粥が食べられています。この風習はもともと中国にあったもので、かつて現地ではこの日に身分が決まり、出世を願ってこのお粥を食べていました。平安時代になり、この風習が日本に伝わって来ると宮廷で食されるようになり、江戸時代には庶民の間にまで広がったといいます。
 ちなみに七草とは「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」の7つの雑草で、七草粥は消化が良いため正月で疲れた胃を休めるのに効果的です。








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