1-12. 作用反作用の法則
先生 第二法則はもうしばらく後で説明するとして、次に学ぶのは運動の3法則の中の『第三法則』、作用反作用の法則だよ。
柚莉亜 はい。
先生 第一単元のはじめに、
『力学というのは、簡単に言うと"物が力を受けるとどういった変化がおこるのかな?"ということを考える学問だ』
『"物体に力を加えた側はどうなるの?"という疑問は後で、』と言ったね。
一弥 そうでした。どうなるんですか?
先生 それではこれからそれを考えてみよう!
先生 まずは、思い出してごらん。壁を殴ったり、指で壁を思い切り押すと……?
一弥 とりあえず、痛いですね。
先生 そうだね。
先生 それに、机を引っ張れば引っ張られているような感じがしないかな?
重い荷物なんかを持つ時には、果たして物が腕を引っ張っているのか腕が物を引っ張っているのか……。
柚莉亜 ……うーん、自分が引っ張られているように感じるとか、あまり意識したこと無いんだけどなぁ……。
先生 まぁ、それで考えてみてほしいんだけれど……そういうときは手も力を受けている、って言えないか?
一弥 力を受けているから、壁を殴った自分の手が痛む訳ですね。
先生 力を受けている点で、力のベクトルを書くときの始点のことを『作用点』といったけれども、ある物体に着目した時、 その物体の受けた力のことを『作用』と呼ぶんだ。
そのとき、力を加えた側も確かに力を受けているよね。
一弥 自分が物体から受けた、逆向きの力、ですね。
先生 そう、その力を『反作用』と呼んでいる。
柚莉亜 でも先生、それ力の一種なんだよね? だったら、『作用力』とか『反作用力』って呼ばないの?
先生 うーん、「反作用の力」なんて言うようなことはあるけれど、「反作用力」という単語は聞いたことが無いなぁ。
柚莉亜 ……じゃあ、反作用を分かりやすく言うと、自分が加えた力の反動ってことですか?
先生 うん、つまりはそういうことだ。
先生 それでは、作用の大きさと反作用の大きさにはどのような関係があるかな?
押して量れる、2つのはかりを用意した。 2つとも自分が押された分だけを目盛りに表示するんだ。
これを押し合わせてみるとどうなるかな?
一弥 なるほど、自分が与えた力と同じだけの力が返ってくるのですか……。
先生 そう、だからどちらが作用で、どちらが反作用か、というのは、 どの物体に着目したか(特に、注目していた物体が受けているのが作用)ということ以外に区別できないんだ。
まとめ

運動の第三法則『作用反作用の法則』

・物体Aが力を受けるとき、物体Aに力を加えた側の物体Bも、Aが受けた(Bが加えた)力と同じ作用線上で大きさが等しく、向きが反対な力を受ける。

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