■「文字」以前

初めての完全な「文字」といわれるシュメール文字は、紀元前3500年頃に開発されたといわれています。

ではその発明にいたるまでの時代では、記録はどのように行われていたのでしょう。

さまざまな記録

以下に文字が誕生するまでの主な記録方法をまとめました。

●結縄文字(ノット・レコード)

最も一般的な記録方法のひとつ。新石器時代初期に使用されはじめたといわれる。

一本の紐に結び目を作って数をあらわした。また時代を経るにつれて紐に色が付いたり、結び目が複雑になっていったりした。

結縄の最も発達したもので、インカ帝国(13c〜1533)のキープがある。

●ノッチ

木の皮や石などにつけられた刻み目によって情報伝達をする手段。

意図的に付けられた最初のノッチは約10万年のものであり、結縄文字よりも古い。

次第に結縄文字と同じ役割を果たした。

●ピクトグラフィー

絵文字。結縄文字やノッチでは表すことのできない詳細を表すことのできる手段。

数万年前には絵的なメッセージが伝えられていた。

文字に非常に近いが、話し言葉をそのまま記した記号ではないため、「完全な文字」ではない。