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 「和紙」「洋紙」というように、呼び方を分けるようになったのは明治時代です。1874年に、有恒社が機械による製紙を始めたことをきっかけに、楮(こうぞ)などを原料としている手漉きの紙を「和紙」、木材パルプを原料としている機械漉きの紙を「洋紙」と呼ぶようになりました。しかし現在では、「和紙」と呼ばれていた紙も機械で漉くことがあるので、はっきりとした定義はないようです。
 
 
 
 

 和紙の基本的な原料は楮・雁皮・三椏等です。1枚1枚が職人の手で作られているので、高価な紙とされています。和紙を作る際に紙すきをし、繊維同士が絡み合い丈夫な和紙ができます。滑らかで美しい紙といわれるのは、この工程で繊維に方向性が生まれるからです。そして、和紙には高い吸水力があります。繊維もとても長いため、濡れても簡単に破れてしまうことはなく、折り畳みにも強く長持ちします。また、薬品をほとんど使用していないため、洋紙に比べ簡単にリサイクルすることができ、環境に優しいです。
 これほどの良い特徴を持っている和紙ですが、洋紙の普及によってか普段の生活で見かけることはほとんど無くなってきました。和紙について、もっと詳しく知るためにも「和紙を知ろう」のページも合わせてご覧下さい。

 
 
 
 
 洋紙は本来、伝来・輸入してきた紙を指していました。現在、一般的に普及している紙のほとんどが洋紙で、和紙とは違い、機械漉きにより生産されてます。そのため、品質は一定で、コピーなどの大量消費に向いています。洋紙の原料としては、安価で入手し易い木材パルプが主流ですが、古紙をリサイクルして作られることもあります。しかし、生産の際に薬品を多く使っているため、リサイクルが難しく、紙が劣化してしまうなど、難点もあります。
 和紙と比べ、洋紙には用途によって使い分けられるよう沢山の種類があります。私たちが普段「紙」と呼んでいるものは、大抵洋紙のことを指しているのではないでしょうか。それくらい、洋紙は私たちの生活に浸透しています。
 
 
 
 
 ちなみに、和紙と洋紙のどちらが書き易いかを、シャープペン、水性ペン、油性ペン、蛍光ペンを使って比べてみました。
 ルーズリーフ、画用紙などの洋紙は、普段から使い慣れているということもあり書きやすかったです。裏写りなどはありませんでした。
 和紙は基本的に問題は無いものの、表面の繊維がペン先に引っかかるなど洋紙より不便に感じました。また、薄いものだと裏写りしてしまいました。
 普段何気なく使っていた紙ですが、使用する場面によって紙も使い分けるものなのだと実感しました。
 
 
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