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 今回のWebサイト制作をきっかけに、美濃和紙を作りを体験したり調査するだけでなく、実際に現地へおもむき美濃和紙の魅力を伝える側にもなろうと思いました。そこで、美濃和紙の最大のイベントと言ってもいい「美濃和紙あかりアート展」に作品を出展することにしました。製作期間は2ヶ月、参加料は1,000円になります。和紙を使ったランプ製作は初めての体験だったので、分からないことが多々ありましたが、美濃和紙の美しさを多くの人に知ってもらいたいという思いを込めて製作しました。その製作の流れを紹介します。
 
 
 
 
 土台に、円と45度刻みの直線を4本引きます。この線で中囲いの位置が決まってくるので、三角定規も使って正確に線を引きました。円は、コンパスでは大きさが足りなかったので、円の中心に細長い紙と画鋲を刺して、紙の端にシャーペンで穴をあけてそのままくるりと円を書きました。
 
 
 
 
 円と直線の交点に、全部で8個の穴を開けます。穴は卓上ボール盤で開けました。試しに竹籤(たけひご)を組んでみたのが右の写真。これに和紙を貼って中囲いができます。

卓上ボール盤(bench drilling machines)とは?
 ドリルを使って穴あけ加工をする工作機械の一種。卓上ボール盤は、作業台上に据え付けて使うことができる小形のボール盤のこと。
 
 
 
 
 土台の端から1cm間隔で二本ずつ直線を引きます。この直線の交点に、四つ角に3個ずつ、全部で12個の穴を開けました。外囲いはてっぺんから竹籤(たけひご)がちょんと出るように組みます。
 
 
 
 
 先生に手伝ってもらい、電球の入る位置を機械でくりぬいてもらいました。ここに電球を囲む球体も設置されます。竹籤を切り揃えて、組み立ててみたのが右の写真です。
 
 
 
 
 PPバンドで同じ大きさの輪を6つ作ります。5つは球体を作る用で、1つは球体の底用です。綺麗な球体になるように、油性ペンで印を付けながら正確にホッチキスで留めていきました。

PPバンド(polypropylene band)とは?
 結束ひものこと。荷物を結束するためやカートンの破損防止に用いられるプラスチック製のバンド。PPはポリプロピレンの略。
 
 
 
 
 何種類かある和紙の中から、実際にライトで照らしながら模様を決めました。その和紙をボンドで貼り付けていきます。大きめに切った和紙を貼り付けて、はみ出た部分を切り取っていきました。
 
 
 
 
 球体とは違う模様の和紙を使いました。それを球体のときと同じように、大きめに切った和紙を貼り付けて、不要な部分を切り取っていきます。脚の部分は汚く見えないように、和紙を何回か巻いて貼りました。
 
 
 
 
 実際にランプで照らしてみると、中囲いがない方が光の具合が良さそうだったので使わないことになりました。土台の穴も要らなくなったので、それを埋めた上からスプレーを吹き付けます。板に染み込んでうまく色がつかないので、何度かにわけて塗っていきます。
 
 
 
 
 上側を乾かしているうちに下側に色をつけます。上と下では使っている板が違っていて表面がコーティングされていたので、まずは表面を削って色がちゃんと乗るようにしました。これも何度かにわけて塗っていきます。
 
 
 
 
 4つに切ったアルミパイプの長さを調整しながら、口の角張った所を落としていきます。これは土台の上と下の接合部になります。削りながら、土台の2度塗りを上下とも終わらせました。
 
 
 
 
 電球の交換をするために上下を取り外せるように作ります。穴を開けた下の土台に先ほど削ったアルミパイプを写真のように4つ挿し入れます。上の土台にはパイプが挿さるように穴を開けた立方体の木をくっつけます。こうして上下が組み立てれるようにしました。
 
 
 
 
 3度塗りとともに、スプレーで側面まできれいに色を付けました。乾いたら、艶出しスプレーで艶を付けていきます。こうすることで、土台に光が反射してきれいに見えるようになります。
 
 
 
 
 下の土台に、買ってきたランプレセプタプルをネジで留めて設置した後、カバーを付けます。これに付ける電球は、味が出るようにオレンジ色に光るものを選びました。

ランプレセプタクル(lamp receptacle)とは?
 レセプタクルを電気的用語で表したものであり、受け手側の機器などに付いている差込口のこと。
 
 
 
 
 上の土台に球体を取り付けます。球体の底を土台の穴にはめて、それをボンドで接着していきました。これが乾けば土台が完成します。
 
 
 
 
 外囲いを土台に組み立てて、電球をランプレセプタプルにつければ完成。電源を入れて光を付けてみたのが右の写真です。周りが少し明るいですが、コーティングした土台にうまく光が反射してくれました。
 
 


あかりアート展での作品の様子 (お客さんに見ていただいた時、とても感動しました。)

 
 
 
 初めに色々と作品の案を考えたのですが、実現可能なものが少なくて困りました。また、実際に作ってみると想像していたものとは違うものになったり、思い通りの形にならなかったりして予想以上に大変でした。
  普段の部活では、パソコンでポスターを描いてコンテストに送っています。パソコンの絵は、間違えても元に戻すことができますが、作品は間違えても元通りには戻せなくて、改めてデータと物の違いを実感しました。そして、作品制作を通して実物の物を作る大変さと楽しさを感じました。
  美濃和紙あかりアート展のやわらかな光の中に、自分の作品が並んでいる光景には感動しました。
 
 
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