竜巻とは、積乱雲や積雲に伴って発生する強い上昇気流(上空へ向かって吹く風)をもった激しい渦巻きです。
雲の底からたれ下がるように、漏斗状や柱状の雲(漏斗雲)ができ、海面や地面から巻き上げた水滴やちりや砂などが尾のように立ち上がります。これらが繋がって、漏斗状の雲の軸がまっすぐ、または曲がりくねった形で見えるのです。
竜巻の中心付近は周りよりも気圧が低いです。そのため、地表付近では竜巻の中心に向かってらせん状に風が吹き、中心に近づくほど急速に風が強くなっていき、上昇気流となって周囲の空気や物を巻き込みながら移動していきます。
台風や寒冷前線、寒気の流入など、局地的に大気の状態が非常に不安定な場合に多く発生します。
竜巻の発生を事前に予測し、警報をするのは現在の技術では不可能です。しかし、現在気象庁は、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になったと判断した場合竜巻注意情報を発表しています。また、空の色が暗く緑がかったり、大粒のあられ、電車が通り過ぎるときのような轟音が聞こえたら、それは竜巻の兆候として注意が必要です。
積乱雲の中で風の速度と方向が変化し、空気の渦が水平方向に回転を始めると、竜巻が発生します。渦の回転は次第に垂直方向に伸び、空気の渦が雷雲に達するまで上昇していきます。
竜巻といえば、じょうご状の雲が特徴的ですが、あの雲は実は透明なのです。積乱雲内の湿った空気からできた水滴が凝縮したり、ちりやほこり、破壊物の破片などが巻き上げられると、雲が肉眼で確認できるようになります。じょうご状の雲は通常、幅約200mにまで発達します。
竜巻は時速約16~32kmの速さで移動します。現在までに記録されている竜巻の瞬間最高速度は113kmです。しかし、移動距離はそれほど長くはありません。一般的には、竜巻が10km以上移動することは稀であり、その一生は極めて短いです。
1.強い上昇気流をもった激しい渦巻きである
2.大気の状態が非常に不安定な場合に多く発生する
3.空気の渦が水平方向に回転を始めると、竜巻が発生する
4.竜巻の一生はきわめて短い
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