竜巻の種類(2)

次は竜巻の状態によって分類されるものを紹介します。

これらは、主に竜巻が複数同時に発生している物を通常の竜巻と区別して名前を付けています。

正確には竜巻ではないが、発生のしかた、見かけなどが似ている物もコラムとして紹介します。

多重渦竜巻 Multiple vortex tornado
(マルティプルボルテックス・トルネード)

複数の竜巻がまとまって発生している状態のことを言います。

主に大型の竜巻の周りに小型の竜巻が発生してこの状態になります。


多重渦竜巻
1957年4月2日 アメリカ テキサス州
米国海洋大気局

衛星竜巻 Satellite tornado
(サテライト・トルネード)

大型の竜巻の周りに発生する竜巻です。

多重渦竜巻との違いは、多重渦竜巻は大型の竜巻に合わせて動いているのに対して、衛星竜巻はそれぞれ独立しているということ。

右の写真はBridge Creek-Moore tornadoという竜巻で、1999年5月3日にアメリカのオクラホマ州のブリッジ・クリークおよびムーア・エリアを襲った非常に強力な竜巻です。最大風速は、時速301マイル(時速484キロメートル)で、過去最大の風速でした。画像右にある太い竜巻がBridge Creek-Moore tornadoで、左の方にある細い竜巻が衛星竜巻です。


衛星竜巻(Bridge Creek-Moore tornado) 
1999年5月3日
米国海洋大気局

コラム:竜巻に似た現象(2)

つむじ風

正式名称は塵旋風(じんせんぷう)見かけが竜巻と似ているため、竜巻だと勘違いされることが多いつむじ風ですが、実は竜巻とは全く異なる気象現象なのです。

右の写真を見るとわかるように、雲の少ない晴天時に発生する突風で、竜巻のように元になる雲の固まりはありません。また、地表付近の空気の温度などが発生の原因なので、上空の寒気と暖気の衝突など規模の大きい竜巻と比べると、発生時の被害は遥かに小さい物になります。

例を挙げると、校庭のテントが跳ばされたり、サッカーゴールが倒れるという程度です。

なんと、このつむじ風は火星でも観測されています。画像はアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人探査機スピリットが撮影した物で、これにより地球以外の惑星でも気象条件が揃えばつむじ風が発生することが明らかになりました。ちなみに、このつむじ風の最大直径は約34メートル、移動速度は約17kmです。


2005年6月10日 アメリカ アリゾナ州
NASA


2005年5月15日(地球時間)火星 撮影:無人探査機スピリット
NASA

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ここまででわかったことをワークシートを使ってまとめてみてください。
ワークシート