紙に使われる薬品

紙とはのページを見てもらえばわかるように、紙を作る工程ではパルプだけなく様々な薬品を使って紙を作っています。
このページではその薬品の一部を紹介したいと思います。

サイズ剤

サイズ剤の原料:ロジン(松脂)、でんぷん
サイズ剤とはインクのにじみを防ぐのに用います。これを付着させないとインクがにじんでしまい、書道などで使う半紙みたいな感じになってしまいます。サイズ剤は大きく分けて2種類あり、そのうちの1つ、「酸性サイズ剤」は 酸性紙問題の原因となるので現在ではあまり使われていません。今主流のサイズ剤は酸性紙問題を解決するために開発された「中性サイズ剤」です。これにより、現在ではほとんどの酸性紙問題は解決されています。
※ロジン:松などの針葉樹から採取された天然の樹脂
※でんぷん:サイズ剤としての役割でなく、紙力増強剤や段ボールの隙間接着などさまざまな用途がある

填料(てんりょう)

填料の原料:炭酸カルシウム、タルク(滑石の粉末)など
填料とは紙の白さや紙の表面の滑りやすさ、柔軟性などを調節する薬品のことです。辞典などの紙が薄くても透けないのは填料のおかげです。填料を使ってる紙かそうでない紙かを見極める方法はとても簡単で、燃やしてみて灰が残れば填料を含み、トイレットペーパーや和紙など填料を用いられていない紙はほとんどなにも残りません。炭酸カルシウムは白色度が高く、安いためよく用いられています。

染料

染料の原料:メチール、バイオレットなど
染料とは別名「色料」とも呼ばれ、名前の通り紙の色を調整する薬品です。染料は水や油に溶けやすい性質をもち紙の繊維と繊維の間にしみこみやすいです。染料によっては耐光性(紙のいろあせなどのこと)が悪くなるものもあります。