サーマルプリンタ

サーマルプリンタとは熱によって印刷を行うプリンタのことで、感熱式プリンタと熱転写 プリンタの二つに分けられる。
感熱プリンタは感熱紙というレシートなどに用いられる特殊な紙に熱を加えて印字するも のである。
インクを使わないためランニングコストが感熱紙のみですむが、
感熱紙は長期保存には向かないためレシートなどの特定の用途以外にはあまり使用されて いない。

熱転写プリンタにはインクを定着させる方法に2種類あり、
熱溶融型、昇華型、の2種類である。
熱溶融型では、インクリボンというインク媒体に塗布されている熱溶性のインクを
熱したヘッドで印刷物に転写する。
ドット一つあたりのインク濃度が変えられないため、
ドットのサイズやドットの密度によって濃淡を表現する。
顔料インクが用いられているため、普通紙への印刷でも耐水性などに優れている。
しかし、複数の色で印刷する場合、同じ工程を重ねなければいけないために
時間がかかるうえに色のずれが発生しやすくなっている。


昇華型では、インクリボンに塗布されている昇華性染料インクを熱したヘッドを用いてコ ート紙に印刷する。
昇華型は熱溶融型と異なりドットごとにインクの量が調節できるために
写真の印刷などにも用いることのできる画質で印刷できる。
染料インクを用いる関係で、耐水性に難があるが、
近年のものでは表面にラミネート加工を施すことで対処している。
しかし熱溶融型と同様に複数色で印刷する場合には同じ工程を重ねなければいけないため に時間がかかったり、
染料系インクを用いていることから専用のコート紙が必要であり、
コスト面で費用がかさむなどの欠点もある。