総括
ここまで、ネット上の危険性を"自覚なき盗撮" "守られない著作権" "サイバーカスケード"と題し、その原因と対策を考えてきました。
これらの3つの問題に共通することは何でしょうか?
私たちは"権利"の侵害であると考えました。
私たちの暮らす実際の社会では多様な自由と権利を保障するため、憲法や法律など様々な決まりが定められています。
ルールの下に自由は始めて存在しているのです。
それでは、ネット上の社会ではどうなっているでしょうか?
サイバースペースという言葉に見られるように、インターネット上の世界は実社会から独立した仮想空間として存在していると考えることができます。
しかし、現在定められている法律で、そのバーチャル空間で起きるたくさんの問題をカバーしきれているとは言い難い状況です。
実際の社会とネット上の社会の違いを踏まえたうえで、自由なネット上の権利の保障のためには、何らかの世界共通の規則が必要なのではないか、と私たちは考えます。
けれども、ルールが決まったところで、そのルールが守られなければ意味がありません。
個人の意見が、"速く"そして"広く"発信されるインターネット上の世界では、私たちは簡単に被害者にも加害者にもなりえます。
各自が自分と相手の権利を尊重して利用することもまた重要ではないでしょうか。