能登の里山・里海 (石川県能登地域)
~ 里山・里海を中心に守られてきた伝統的な農村文化と一体的に行われる「持続的な農業生産システム」の振興~
能登には大きな川や高い山がなく、陸の生態系「里山」と沿岸の生態系「里海」と呼ばれる、人の手でよく管理された社会生態システムが分布しています。
里山とは人里の近くにあり、その土地の人たちと密接に結びついている山や森のこと言い、里海とは人の手が適度に加わることで、自然環境が保たれ、生産性が高められている海岸のことを言います。この里山・里海を構成する水田、雑木林のことを二次的自然といいます。
ここには、森から海まで一体的に連なった農林水産業のシステムがあります。
農業・林業・漁業は、互いに密接な関係を持って営まれ、人々の暮らしや生物多様性を支えています。
輪島市の
真っ青な海と何段もの細長い水田が続いており、四季折々に変化する白米の棚田は、能登の里山・里海景観を代表する景勝地になっています。
能登では、農耕や里山・里海と結び付いた能登特有の伝統産業や伝統的な農村文化も数多く残っています。
伝統産業においては、唯一能登だけに残る「揚げ浜式」と呼ばれる伝統法を用いた製塩のほか、炭焼きは間伐や植林など里山の管理・保全、
一方、農村文化では、奥能登一円の農家で行われる農耕儀礼「あえのこと」や「キリコ祭り」などが継承されています。