お茶とは?

 皆さんはお茶と言ったら何を想像しますか?緑茶、烏龍茶、紅茶... どれもお茶の種類の一つです。お茶にはたくさんの種類があり、今も昔も人々に愛され飲まれ続けています。このように私たちの生活を支えているお茶ですが、皆さんはそもそもお茶って何なんだろうと考えたことはありますか?
 お茶とは『お茶の木の葉や茎を加工して作られる飲み物』です。お茶はもともと、「カナリアシネンシス」という茶樹の葉から作られます。この茶樹の葉の発酵度合いによって紅茶や緑茶などの皆さんの知っているお茶になるのです。
 毎日のようにお茶を飲んでいても、まだまだ知らないことがたくさんあるのではないでしょうか。このサイトを通して知ってるようで知らないお茶についてしっかりと学んでいきましょう。

お茶の歴史

お茶のはじまり

 今でこそ世界中で飲まれているお茶ですが、そのお茶の起源は、中国にあると言われています。しかしその初期の歴史は大半が伝承に基づくもので、伝説なのか一部の人の中での事実なのか判断がつきにくいため曖昧なものになっています。それだけ中国では古くからお茶が利用されていました。書物に残っている中で最も古いものでは中国最古の薬物書である「神農本草経」の中でお茶についての記述があり、このことからお茶の起源は紀元前2700年頃だと考えられています。また、350年ごろの学者郭璞(かくはく)が注釈した、「爾雅(じが)」という中国の書物があります。これはお茶の栽培について書かれている、信頼できる最も古い記録とされており、350年ごろにチャノキが始めて栽培されたという根拠になっています。

日本茶の歴史

 日本にお茶が伝来したのは奈良時代です。中国へ行った遣唐使や留学僧が中国からお茶の種子を持ち込んだことから日本に伝わりました。その後1191年に、禅宗の僧である栄西禅師が中国から新しい種子を持ち帰り、日本で最初のお茶の書物「喫茶養生記」を著し、療法としてのお茶の効能を説きました。初め日本でもお茶は、高価な薬として一部の経済力などで社会の上層にいる人々に飲まれていましたが、これ以後、その人気はしだいに一般の人々にまで広がりはじめました。その後江戸時代になると、煎茶が作られるようになり、一般の人々が飲める庶民的なものになっていきました。

中国茶の歴史

 お茶の起源と言われる中国のお茶は中国茶と呼ばれ、その歴史から、種類もたくさんのものがあります。そんな中国ではお茶は古くから飲まれていましたが、初めのころ飲まれていたお茶は、薬用として飲まれていました。そこから美味しく飲めるよう製法の改良が行われ、5世紀までに交易品として貿易がされるようになり、6世紀には飲用として飲まれるように変化していきました。宋の時代には裕福な市民もお茶を楽しむようになり、茶会や品評会が頻繁に行われ、そこで詩を詠んだり、哲学をしたりしました。ときには、「闘茶」という競技が行われ、そこではお茶の良し悪しを鑑定したり、産地を当てたりして、より世俗的なものとして楽しまれていたようです。また、飲み方も茶せんを使って泡立てる抹茶のような飲み方が発明され、茶の楽しみ方が広がりました。明の時代以降になると一般の市民にも普及し、より美味しいお茶が求められ、ジャスミンの花の香りなどを付けた花茶や、烏龍茶が誕生していきました。こうして、中国では茶が栄えていきました。

紅茶の歴史

 紅茶はイギリスが発祥地だと思われがちですが、そうではありません。紅茶の起源も実は中国にあるのです。いつ頃から飲まれるようになったかは定かではありませんが、当初は薬として扱われていました。6世紀以降では緑茶としてでしか出回っていませんでしたが、宋の時代になると紅茶の原型である発酵茶が登場します。それから、茶葉の発酵技術が向上し、紅茶というお茶の種類が確立されていくのはもっと後の話でした。
 17世紀になると、大航海時代を経てヨーロッパの国々が中国の緑茶や紅茶を輸入し始めました。そして、イギリスで初めてお茶が売られましたが、認識としては「万能な東洋の薬」というものでした。しかし、イギリスの国王に嫁いできたポルトガルの女王が宮廷に喫茶の習慣を広め、次第に貴族社会にも影響を及ぼすこととなりました。また、初めてお茶を商品として出したのが貴族たちの社交場であったコーヒーハウスでした。これが段々と一般人にも広まることで現在のように多くの人に飲まれるお茶となっていったのです。

お茶の成分・効能

 お茶にはカテキン、カフェインと言った成分が含まれています。
 カテキンには血中コレステロールを消去する働きや、強い酸化作用を持つ酸素などの有害物質を消去する働きを持っています。また、カテキンは虫歯を予防するフッ素と同じような働きも持っています。一番カテキンが多く含まれているのは紅茶で100g中20.0r含まれています。
 カフェインは皆さんの知っている通り覚醒作用による眠気を覚ます効果があります。しかし、それだけではありません。カフェインはダイエットをするのにも効果的なのです。もちろん、ただ飲んでいるだけでは効果はありません。運動前にカフェインを多く含むお茶を飲むことで、カフェインが脂肪を燃やす働きのサポートをしてくれます。よって、あまりきつい運動が好きではない人も適度な運動量で脂肪を効果的に燃焼させることが出来ます。一番カフェインを多く含まれているのは玉露で180r含まれています。しかし、玉露は高価なものなので金銭的に優しい紅茶やほうじ茶にしておきましょう。

お茶の雑学

ヨーロッパでは紅茶をティーカップで飲んでいなかった?!

 皆さんは紅茶を何に入れて飲んでいますか?多くの人がティーカップで飲んでいますよね。しかし、18世紀頃のヨーロッパではティーカップではなく受け皿で飲んでいたそうです。もともとティーカップを載せる為の皿ではなく、紅茶やコーヒーを注いで飲む為の皿でした。受け皿で紅茶やコーヒーを冷ましたりしていたそうです。今では考えられないユニークな飲み方ですね。

無茶苦茶の語源は?

 無茶苦茶という言葉、一度は、聞いたり使ったりしたことがあると思います。この無茶苦茶という言葉に「茶」という漢字が入ってることに疑問を感じたことはありませんか?
 なぜ「茶」という漢字が入っているかというと、無茶苦茶という言葉は「お茶のない人生なんて考えられない」という語源から作られたからです。現代的な言葉にすると「No Tea,No Life」といったところでしょうか。

なぜお茶を振ると泡が出るの?

 お茶を振ったら泡が立って少し不快な思いをした事はありませんか?泡の発生する原因はお茶に含まれているサポニンという成分によるものです。このサポニンは石鹸などと同じように泡を発生させます。緑茶や紅茶、ウーロン茶など多くのお茶に含まれています。
 石鹸と同じ性質の泡と聞くと飲んでも大丈夫なのか不安になりますが、全く問題はありません。石鹸の成分とは全くの別物で、むしろサポニンは抗菌作用や抗ウイルス作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、血圧上昇抑制作用と体にいい効用がたくさんあります。見た目は悪いかもしれませんが、体に良いものなので安心して飲みましょう。

なぜ日本茶は緑色なのか?

 烏龍茶や紅茶は濃い褐色なのに日本茶は緑。当たり前のことですが疑問に感じませんか?なぜ日本茶だけが緑色なのか、それは「殺青」をしているからです。お茶の生葉は緑色をしていますが、これは葉に含まれる緑色色素の葉緑素(クロロフィル)によるものです。しかしクロロフィルは、生葉のまま放っておくと葉に含まれる酸化反応を触媒とする酵素によって変色してしまい緑色ではなくなってしまいます。そこで登場するのが先ほど出てきた「殺青」です。「殺青」とは、お茶を作る時に生葉を蒸したりなどして熱を加えることで酸化酵素を不活性化させ、酸化を止めることです。これによって、出来上がったお茶には緑茶特有の緑色が残るのです。
 烏龍茶、紅茶は、日本茶とは異なり「殺青」を最初にしないので酸化酵素が働き、褐色になるというわけです。