お茶の種類(日本茶)

・煎茶

 茶葉は針のような細長く整った形から細かくなったものまであり、蒸す時間が長いほど形が崩れた形状になります。水色(すいしょく)は淡い緑色から濃い緑色まであります。色が濃いほど味にコクが強くなりますが、香りが弱くなってしまいます。普通の煎茶は90℃くらいの熱湯でお茶を入れ、深蒸し煎茶は80℃くらいのお湯を入れます。
 茶葉を摘んだ後に発酵が始まるため、すぐに湿度の高い空気を送り、発酵を遅らせます。その後、青臭みをとるため蒸します。この時の蒸す時間によって、お茶の味が決まってきます。普通の煎茶は約30秒ほど蒸し、それに対し深蒸し煎茶は約40秒ほど蒸します。普通の煎茶と比べ、深蒸し煎茶はコクのある味わいになります。

・玉露

 お茶の木は煎茶と同じですが、玉露は新芽が出始めたら日光を遮って育てます。味、香り共に優れていて、茶葉は深い緑色でツヤがあります。お湯の温度は50℃〜60℃と煎茶と比べると低い温度で淹れます。水色はわずかに緑色がかかった色です。高級なものになるほどコクやうまみが濃厚になります。

・ほうじ茶

 ほうじ茶は水分がなくなるまで炒って作られたお茶です。緑茶と異なり水色は明るい茶色で、焙煎が強いものほど色が濃くなります。特徴は焙煎することで出来る香ばしい香りで、この香りにはリラックスする効果があります。また口当たりがさっぱりしているため、食事中によく飲まれます。

・番茶

 番茶は新芽が成長して硬くなった葉や茎から作られます。製法は煎茶とほとんど同じですが、煎茶の製造工程では使われなかった葉や茎を原料にしています。水色は黄色がかった緑色で、風味が軽くさっぱりとした味わいです。

・玄米茶

 玄米茶は番茶に白米をほぼ同じ割合でブレンドしたお茶です。白米を炒っているため、番茶と同じ味わいに加え、香ばしさも楽しめます。水色は番茶より明るい緑色です。また、玄米茶はカフェインがあまり多くないため子どもやお年寄りでも飲みやすいお茶です。

お茶の種類(中国茶)

・緑茶

 緑茶は中国で最も生産量と消費量が多いお茶です。発酵しないで作るお茶なので、摘み取ったらすぐに熱を加えて発酵を止めます。この時に日本茶とは違い、釜で炒り上げるので日本茶のような渋みは感じません。水色は日本の緑茶より薄い黄緑色です。カフェインが多いのでリフレッシュしたい時におすすめです。

・紅茶

 紅茶と言ったらヨーロッパのイメージですが、実は中国が原点です。中国での消費量はあまり多くないものの生産量は緑茶の次に多いです。中国で作られる「キーマン」は世界三大紅茶として有名です。水色は明るい橙色です

・白茶

 白茶は3月末から4月に収穫されます。茶葉を炒ったり揉んだりせずに日光で8割乾燥してわずかに発酵させて作るので、天気や気温にかなり影響されやすいです。水色は薄く、褐色がかった黄色を帯びていてわずかにさわやかな香りがします。また、リラックスや抗酸化作用もあります。発酵の浅い白茶だと体の熱を取り除く効果があります。しかし、陳年茶になると体を冷やさずに温める効果に代わります。

・青茶

 青茶とは私たちも普段飲んでいる烏龍茶の事です。発酵の程度はだいたい10%から70%で、程度によっていくつかの種類に分けられます。発酵が強いほど紅茶に近く、発酵が弱いほど緑茶に近い特徴が現れます。水色は発酵が強いほど茶色になり、発行が弱くなるにつれて茶色は薄くなっていきます。
 発酵することで形成される烏龍茶ポリフェノールには抗酸化作用、抗ガン、高血圧、便秘解消の効果があります。さらに青茶の香りには頭痛や肩こりの緩和やリラックス、安眠効果もあるので飲むだけではなく、香りも楽しむ事でより青茶を楽しめるでしょう。

・黒茶

 黒茶とは微生物を利用した後発酵茶です。水色は文字通り黒色 というわけではなく、赤茶色です。とても保温力に優れており、薬にも似た独特な香りがします。緑茶が好きだけど体が冷えてしまうのを防ぎたい方には自然発酵の生茶を、便秘解消と食事でのあぶらに悩んでいる方は微生物発酵の熟茶をおすすめします。

・黄茶

 黄茶は中国大陸だけで作られ年間生産量も少ないことから希少な高級茶とされています。水色はその名の通り黄色です。黄茶の効果としては、解熱、リフレッシュ、リラックスなどが期待されます。見た目が愛らしいことから視覚からの癒し効果も楽しむことができ、飲むお茶というよりも見るお茶と呼ばれています。

・花茶

 花茶は緑茶の茶葉に茉莉花(まつりか)などの花の香りをつけたり、花びらを混ぜたものです。また、青茶や白茶などの数種類のお茶をミックスして作られたものもあります。乾燥した花だけで売られているものもあるため、自分でほかのお茶とブレンドすることもできます。特にジャスミン茶は、花茶生産量の約80%を占めるほど人気が高いです。「花びらをいれることで味が変わるのでは?」と思う人もいると思いますが、そのようなことはありません。本来のお茶の味のまま、花の香りを楽しむことができます。

お茶の種類(紅茶)

・ダージリン

 ダージリンにはファーストフラッシュとセカンドフラッシュがあります。
 ファーストフラッシュは3月下旬から4月にかけて収穫されます。茶葉は緑葉が多く見られ、水色は薄いオレンジ色になります。スミレのようなフローラルな香りとさわやかなコクが特徴です。
 セカンドフラッシュは5〜6月に収穫され、茶葉の色、紅茶の色ともにファーストより濃いです。香ばしくさわやかに飲むことが出来てマスカットに似たいいにおいがします。どちらもストレートティーで飲みたい紅茶ですね。

・アッサム

 収穫時期は5〜6月と、10〜11月です。5〜6月はセカンドフラッシュ、10〜11月はオータムナルという種類になります。どちらも茶葉と水色は赤褐色で程よい渋みと癖のないマイルドな味が特徴です。ストレートティーやミルクティーにすると美味しいです。

・ウバ

 世界三大銘茶の一つのウバは8〜9月がクオリティーシーズンです。この時期に収穫したお茶はバラのような甘い香りにさわやかさが加わります。標高の高いところで製造されているので、水食は深い赤色で刺激的で快い渋みがあります。濃く入れるとカップのふちにゴールデンリングといわれる美しい金色の輪ができます。ミルクティーにもっとも適した紅茶でもあります。

お茶の種類(その他)

・カモミールティー

 日本では、「カミツレ」と呼ばれているカモミールはヨーロッパでもっとも歴史のある民間薬で、4千年以上前から薬草として用いられています。リンゴのような甘い香りがあり、この香りにはイライラや疲労を鎮める効果があります。また、貧血や冷え性を改善してくれるのでこの症状で悩んでいる方は飲むといいですね。

・レモンジンガー

 レモンジンガーはアロマのような香りを持っています。お湯を注いですぐはうす茶色で、時間がたつにつれて色が濃くなり、最終的に茶色っぽい濃い赤色になります。そして、注いだ直後にはなかったレモンの香りもしてきます。レモンティーに近いほっとする味がしますが、酸味はレモンティーよりもあります。飲みやすいと感じる人が多いと思いますので、ぜひ飲んでみてはいかがですか?

・ペパーミントティー

 モロッコで飲まれているのは、緑茶にミントと砂糖を加えたお茶です。モロカンウイスキーと呼 ばれることもあります。モロッコはイスラム教徒の多い国なので、戒律でお酒・タバコ・さらにコ ーヒーも規制されていました。ですので、お茶は嗜好品として浸透しており、お酒の代わりにこの お茶を飲んで楽しみます。

・バター茶

 チベット、モンゴルで不足した栄養源や空腹を満たすために飲まれている飲み物です。作物が育ちにくい環境で飲まれているため茶葉は、輸入品をつかっています。英国や日本のような嗜好品ではないため味に関しては、不評だそうです。

お茶の産地

日本のお茶の産地

 日本でお茶と言えば、静岡県を想像する人が多いと思います。実際に生産量を都道府県別で見た時、静岡県は日本最大のお茶の産地です。しかし、以外と知られていないのが鹿児島県のお茶の生産量が近年増加してきており、静岡県に次いで第2位だということです。静岡県と鹿児島県が国内の約7割のお茶を生産しており、日本のお茶を支えています。次いで三重県(伊勢茶)、宮崎県(宮崎茶)、京都府(宇治茶)などがたくさんのお茶を生産しています。それ以外にも、日本には全国各地でたくさんの銘柄のお茶が生産されていて、地域ごとに各々の味わいがあります。色々なお茶を飲み比べてみると面白いですね。

世界における紅茶の産地

 紅茶は世界でお茶の全生産量の約70%を占めており、最も人気のあるお茶です。世界三大紅茶と言われる銘柄があり、それはインドの「ダージリン」、スリランカの「ウバ」、中国の「キーマン」です。これらの3地域にケニア、インドネシアの2か国を加えた5か国で、およそ世界の80%の紅茶を生産しています。多くの良質な紅茶は、夏至の日に太陽が真上に達する線と赤道に挟まれる一帯やその周辺で栽培されています。この一帯をティーベルトといい、熱帯や亜熱帯地域の高地で自然の霧が発生しやすい気候が、品質の良い紅茶を生み出す条件として知られています。産地の気候や土地特有の自然環境により、香りや味、水色(すいしょく)の違った紅茶を楽しむことが出来ます。

飲む以外の使い道

飲むイメージが強いお茶ですが、飲む以外にも様々な使い道があります。そんなお茶の様々な使い道を紹介します。

水虫に使うと効果あり

 水虫の原因であるカビは強い菌ではないためいろいろな方法で殺菌することができます。その方法のひとつに緑茶を使う方法があります。緑茶を飲むのではなく水虫がある箇所にガーゼやタオルなどで茶葉を包み、お風呂の桶で足湯をし、最後に患部を洗えば緑茶に含まれるカテキンによって殺菌することができるそうです。水虫になった人は、ぜひ試してみてください。

口臭、歯周病の予防に

 ただ飲むだけでも効果はありますが、食後に歯の前後をクチュクチュと通過させる感じでうがいをすると口臭の予防になるそうです。お茶でのうがいが良い理由は、お茶に含まれているカテキンが口内や喉のウイルスの働きを抑えるからです。また、口臭の予防だけでなく、風邪予防や風邪を引いた時にも効果があります。お茶うがいのやり方は簡単で、70℃以上で淹れたお茶を冷まして口に含み、15秒ほど口内をクチュクチュと洗います。次にお茶を口に含み直して上を向き、15〜20秒うがいをするだけです。釜炒り茶や煎茶などカテキンの量が多いほどより効果があります。今日から行って風邪を予防しましょう!

お茶枕でリラックス

 枕の中に入れるものといえば羽毛、そばがらなどが有名ですが茶葉の入った枕があるのを知っていますか?この枕は使用済みの茶葉を天日干しでカラカラに乾燥させ、枕に詰めて使います。ほのかなお茶の香りが心地よい眠りに誘ってくれます。また香りによるリラックス効果で不眠症の人にも人気があるそうです。茶葉を使っているので水洗いはできず、まめに天日干しをしたり、香りが無くなったら交換しなければいけませんが、最近心地よく眠れないと感じる人はぜひ試してみてください。

茶葉の入浴剤

 飲み物をお風呂に入れるのは抵抗があると思います。しかし、緑茶にはフラボノイドやビタミンC、カテキンの成分により美肌や消臭の効果があります。また、殺菌作用もあるため肌荒れやあせもにも良いそうです。お茶風呂の作り方はお茶のパックやガーゼの袋に使い終わった出がらしの葉っぱを入れて(出がらしでない茶葉を使う時は茶さじ2杯ほど)お風呂に入れ、揉みだすと出来ます。これで体に優しい天然の入浴剤のお風呂の完成です。

 ここで紹介したものは使い終わった出がらしや安いお茶で出来る簡単なものばかりです。お茶は飲む以外の面でも私たちの暮らしを支えているのです。