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残業・労働時間の詳細



 知りたい改革内容をタップすると、その内容がドロップダウンして出てきます。

 インターバルとは、日本語で「休憩時間」を指します。ですから、業務間インターバル制度とは、
業務と業務の間で一定時間以上の休憩時間を入れる制度

ということになります。ただし休憩時間というと、一つ一つの仕事同士の間の短い休憩と感じがちですが、本制度は
一日の仕事が終わってから翌日の仕事が始まるまでの間の時間

のことです。
 これだけだといまいちイメージがつきにくいので、例を挙げて説明します。

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 Aさんがある日仕事が終わらずもう少し会社に残ってやりたいと思い5時間残業したとしましょう。
 法定労働時間によって基本的に仕事が終わるのが17時(お昼休憩を1時間と仮定)ですから、勤務終了が22時です。いつもは残業が3時間なので勤務終了が20時です。
 ここでもし翌日8時に出勤したら、いつもは12時間の休憩が取れていたのにそれが10時間になってしまいます。2時間も減ってしまっては大変です。

 そこで登場するのが今回導入されるインターバル制度です。残業時間が長引いた分、翌日の始業時間を前倒しにすることができるのです。
 今回の場合だと、残業時間がいつもより2時間多かったので、翌日の始業時間を2時間前倒しにできるわけです。
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自作写真

 このような制度を導入することで、十分な生活時間を確保できるのです。

インターバル制度の例

厚労省:働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~を参考に作成

 従来だと、休暇取得のためには労働者が自ら使用者に有給取得希望時期を申し出る必要がありました。ただし日本では、年休取得率が49.4%と低いことからわかるように、この申し出がしにくい状況がありました。

 そこで、使用者が労働者に一年の間で有給を希望する5日間を聴き(この労働者への聴収は義務)、それをもとに労働者の取得時期を指定するという方法がとられました。こうすることで、使用者側は労働者に有給取得希望時期を聞かなくてはならず、労働者には年5日の休暇が保証されるわけです。

従来 改革後
従来の休暇取得方法 改正後の休暇取得方法

自作写真

 フレックスタイム制とは、
ある1ヶ月の期間について働く時間(総労働時間)を定め、その期間内なら労働者が始終業時刻・労働時間を自ら決定できる制度
のことです。

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 毎週月曜日と木曜日にパソコン教室に通うことになったAさんは、会社を16時に退出しないと教室に間に合いません。もし16時に退出するとなると、その日は働く時間が法定労働時間(八時間)より一時間短くなってしまいます(お昼休憩を1時間と仮定)。

 そこで活躍するのがフレックスタイム制です。
 下図の例①をご覧ください。Aさんは平時は8時に出勤していますが、パソコン教室のある日は7時に出勤しています。
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 このように、退出時間を早める代わりに出勤時間を早めることで、仕事とプライベートを両立できるのです。(下図の例②についてですが、これは、水・金に平時よりも早く出勤することで、月・木の働けなかった時間分を取り返すという方法です。)
フレックスタイム制の例

厚労省:働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~を参考に作成


 他にも、フレックスタイム制は、通勤(帰宅)通勤ラッシュの時間帯を避けるなどの多くの利用方法があります。

ここで、もし実労働時間が総労働時間と一致しなかった場合にどのような措置が取られるのかを見ていきましょう。

清算期間において実際に働いた時間が総労働時間を上回った場合
 措置:上回った分の労働時間に対応する賃金が追加で支払われる。

②実際に働いた時間が総労働時間に達しなかった場合
 措置1:加算分の時間と翌月の総労働時間の和が法定労働時間内であれば、翌月の総労働時間に加算して労働させる。
 措置2:達しなかった時間分を賃金から差し引く。

 それぞれ以上の措置が取られます。
 以上までが従来のフレックスタイム制についての内容です。

 ここからは、改革内容について見ていきます。
 まず、改革によって変わった大きな点は一つです。その内容は、
清算期間が3カ月に延長されたこと
です。
 たったのそれだけ?と思った方もいると思います。もちろんこれだけ変わっただけでは改革とは言えません。清算期間が3ヵ月に変わったことをベースにいくつかの改革事項について説明していきます。
 生産期間が3カ月に延長されたことによって、より広い期間で予定を組むことができるようになりました。

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 クリスマスや年越しで繁盛期が12月、年の始めである1月が閑散期である会社があるとします。
 従来の制度だと、清算期間は1ヵ月ですので12月だけで休む日や多く働く日を定めなくてはなりません。しかし、この会社では12月全体が忙しくて休む日もありません。そうなると、使用者は割増賃金を多く払わなくてはならず、労働者も働いた分の休みが思うように取れない状況になります。

 ここで、清算期間が3ヵ月になったことで、12月に働いた時間分の休みを1月に繰り越すことができます。すると、労働者は年の初めをゆっくり過ごすことができ、使用者としても12月に多く働いた分の割増賃金を1月に休んだ日に回すことができます。労働者も使用者もウィンウィンの関係になるわけです。
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 つまり、清算期間が3ヶ月に延長されたことにより、日々の生活に余裕が持てるようになったのです。

 しかし、ただ3ヶ月に延長しただけでは、どこかの月で過労働をしてしまう恐れが出てきます。そこで、3ヶ月延長を行うにあたってのルールが以下の通りです。

①:清算期間における総労働時間の週平均労働時間が法定労働時間の40時間を超えないようにすること。
②:一カ月における週平均労働時間が法定労働時間の50時間を超えないようにすること。

 以上を満たしていれば、3ヶ月延長が可能となります。(下の画像でいうと、左のグラフは、上の①も②も満たしていますが、右は、①を満たしていなく、②においては二ヵ月分も満たしていません。)

 ただしこの時に、労使協定を所轄労働基準監督署長に提出しなくてはならないことも忘れないでください。
改正後のフレックスタイム制の時間外労働の有無

厚労省:働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~を参考に作成

 前のページと上記3つの内容が労働時間に関する変更点です。ここでは紹介しませんでしたが、「高度プロフェッショナル制度」など他にもいくつかの改革内容があります。ただ、ここで上げたものを抑えるだけでも十分です。
 ここまでの内容を読んでわかったと思いますが、国は自身が掲げた「働き方改革の目指すもの」を達成するために、様々な対策を用意しています。
働き方改革の説明 ~労働時間~
働き方改革の説明 ~パートタイム~