巣の構成員

オスバチ

 左の写真中央の黒めで大きいのがオスバチです。働きバチによって巣から追い出されているところです。
 オスバチとは、他の巣の女王バチと交尾をするためだけに存在している蜂です。オスバチは働きバチよりも体が一回り大きく、オスバチが育つ巣の部屋も働きバチのものより大きく作られています。また、女王バチを遠くから見つけられるように目も大きいのです。

オスバチの仕事

 オスバチは働きバチのような仕事がないので、いつもは巣の中でだらだらしたり、働きバチたちに食べ物をねだったりと、のらりくらりと暮らしています。また、交尾相手を探すために毎日新女王バチを探しに出かけます。 オスバチたちは、巣の外でまだ交尾をしていない新女王バチが来ると思われる場所に何匹も集まりずっと待ち続けます。女王バチを見つけると必死に追いかけます。追いつけたオスバチのみが交尾できるのです。オスバチは交尾が終わるとすぐに死んでしまいます。交尾が出来なかったオスバチは巣に戻って、交尾ができるまで同じことを繰り返すのです。 秋になると、餌を食べるだけの巣にとってオスバチは全く価値が無いため、働きバチによって巣から追い出されてしまいます。追い出されたオスバチは自力では生きていけず、死んでしまいます。



参考文献
『ミツバチの教科書(原題 The Bee Book)』 エクスナレッジ 、2017年
Rowan Jacobsen 『蜂はなぜ大量死したのか(原題 Fruitless Fall)』 文芸春秋、2009年
久志冨士男 『ニホンミツバチが日本の農業を救う』 高文研、2009年
一般社団法人 日本養蜂協会 ホームページhttp://www.beekeeping.or.jp/