私たちはごみ袋などのごみが自然にどのような影響を実際に与えているのかを聞きに行くため、
三重県 環境生活部 環境共生局 大気・水環境課の担当者さんに話を聞きに行きました。大気・水環境課では法律に基づいて環境の対策を行っています。
三重県の海洋ごみは伊勢湾の終点近くにある鳥羽の答志島、特に奈佐の浜に多く流れ着き、鳥羽には12000tのごみが流れ着きます。
これには季節風が大きくかかわっており、夏は太平洋から日本海に向けて風が吹くため北部の鈴鹿に多く海洋ごみが流れ、冬になると日本海から太平洋に向けて風が吹き、答志島に海洋ごみが流れ着きます。
答志島に流れるごみは流木や漁業に使用する道具、プラスチック類など様々なものがあります。
このごみが増えることで景観が壊されたり、生物が繁殖させる場所がなくなる、港にも流れ着くと船を出せなくなるなどの被害が出ます。
このごみはボランティアや管理者によって回収されますが、台風などによって再びごみが流れ着くこともあります。
三重県の海洋ごみは三重県の調査によって伊勢湾の湾口部付近に多い傾向であるとデータが出ています。
令和5年度に三重県が3地点(鈴鹿、鳥羽、志摩)でおこなっている漂着ごみの分類調査では自然物が9割、人工物が1割となっていて、人工物のうち7.5%がプラスチック類です。
そのプラスチック類の中でも容器包装・製品が4割近くを占めています。
この調査は夏と冬の年に計二回行っており、令和二年度夏から令和五年度冬の調査をまとめた分類調査のデータでは全体的に減っていますが、これをさらに細かく見ていくと増えているものもあると言います。
発生を抑えるためにこれまでラッピングバスの走行・インターネット上で海洋ごみの啓発を伝えたり、チラシやパネル・ブックレットを作成し、伝える活動を行っています。
他には紙製のクリアファイルやBP配合ごみ袋・海洋ごみを使用したペンを作り、環境への負担を減らした製品を開発するなどを行っています。
また、地域と協力して「伊勢湾 森・川・海のクリーンアップ大作戦」を平成20年から行っており、東海3県の各地で清掃活動を行っています。
コロナの影響で参加人数は減りましたが、最高で5万人くらいが参加して令和5年度でも34452人の人が参加しました。
この他にも年間で多くの回数清掃活動を行い、その中には大規模な清掃活動もあります。
その他にも東海3県と名古屋市が海洋ごみ対策検討会で発生抑制対策の検討や情報共有、環境省への提言・提案(補助金の確保など)をして協力しながら伊勢湾の自然を守っています。
取材時に担当者さんは「私たちが対策をしてもごみを伊勢湾に捨てる人が多く、抑えきれないから、たくさんの人に伝えたり、ボランティア活動などを行ってほしい」と言っていました。