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著作権

   著作権と言われたら、どのようなことを思い浮かべますか。小説・漫画・作詞・作曲・絵画・イラスト・彫刻・写真・映画・映像など多くのものが著作権と深く関わっています。
 著作権というと、画家や作曲家など創作活動を職業としている人のものだと思うかもしれませんが、みなさんが小説を執筆したり、絵を描いたりすれば、皆さんも著作者となるのです。ですので、皆さんにとっては一番身近な知的財産かもしれません。
 ではここから、著作権についての学習をしていきます。

1. 著作権って何だろう?

   著作権とは、作品を作った者が持つ権利のことです。また、その作品(自分の感情や意思を表現した物)のことを著作物といい、それを作った者を著作者といいます。
 著作権で最も重要な事は、産業財産権と違って管轄している文化庁に出願しなくても、自動的に発生する権利となります。

>著作物の種類

言語の著作物

   創作性のある文字で表現されるものや口上で伝達されるもの
 例)小説や論文・俳句・短歌など

音楽の著作物

   音楽に関するもの。 

舞踊または無言芸の著作物

   ダンス、バレエなど、身振りや動作によって表現されるもの。

美術の著作物

   漫画や絵画など、形や色で表現されるもの。 

建築の著作物

   一般の人が生活しているような建物ではなく、宮殿のように建築芸術といわれるような建築物のこと。

地図の著作物

   図形や図表によって表現された著作物のこと。 

写真の著作物

   人や風景などを撮影した写真のこと。

映画の著作物

   映画やドラマのこと。ゲームソフトも含まれます。

プログラムの著作物

   コンピュータプログラムのこと。プログラム言語は含まれません。

二次的著作物

   小説を映画化したものなど、何かをもとに作られたもの。

2. 著作権はなぜ必要なの?

   著作権はなぜ必要なのでしょう?製作者側の気持ちになってみましょう。せっかく苦労して著作物を製作しても、簡単に盗用されてしまっては、創作への意欲が湧いてこなくなります。

   そこで、著作権法では著作権を定め、著作物を保護しています。保護することで製作者と作品を守り、その結果、国内の文化の発展につながるのです。著作権はほかの権とは違い、文化の発展を目的としているため文化庁が管理しています。


3.著作権にはどんな種類があるの?

   著作者には、著作者を保護する権利として2つの権利を与えられます。1つは、著作者のみに与えられる 著作者人格権 、もう1つは、財産的な利益を保護するための著作財産権著作権と同じ意味)です。それぞれ細かい権利に分類されています。

著作者人格権

   簡単に言うと著作人格権は著作者だけが持てる権利のことを言います。自分が著作者であることを証明するための権利です。主に以下の3つがあります。

公表権:作品を公表するかどうかを決定する権利。
氏名表示権:作品に自分の名前を表示する権利、または匿名での発表を選ぶ権利。
同一性保持権:作品が改変されたり、著作者の意図に反して扱われないようにする権利。

著作財産権

   著作財産権著作権と考えてよいです。著作財産権とは、簡単に言うと著作物を自由にコピーしたりテレビで放送できる。いわば、著作物についての権利です。また、この権利は他人に譲渡する事ができます。

複製権:著作物をコピーする権利。

上映権演奏権:著作物を公に上演または演奏する権利。たとえば、劇や音楽の演奏を行う際に必要です。

上映権:映画や映像作品を公に上映する権利。映画館やイベントでの上映にはこの権利が必要です。

公衆送信権公の伝達権:著作物をインターネットや放送などで公に送信する権利。ラジオやテレビ、ストリーミングサービスなどが該当します。

口述権:著作物を口述する権利。演劇や詩の朗読などが含まれます。

展示権:著作物を公に展示する権利。美術作品や写真展などでの展示に必要です。

頒布(はんぷ)権:著作物を販売や配布する権利。著作物の物理的なコピーを他者に渡すことが含まれます。

譲渡権:著作物の利用する権利を他者に譲渡する権利。ライセンス契約などを通じて権利を移転できます。

貸与権:著作物を一時的に貸し出す権利。図書館での書籍貸出やCDレンタルが該当します。

翻訳権翻案権:著作物を他の言語に翻訳したり、別の形式に改変する権利。小説を映画化する場合などが含まれます。

二次的著作物の利用権:原著作物を基にして作成された派生作品(例えば、続編やリメイクなど)の利用に関する権利。エピソード1,2をまとめると、著作者の気持ちに反するような、作品の扱い方をしてはいけないということです。

著作隣接権著作隣接権とは、著作者の代わりに世の中に広めてくれる者の保護する権利のことをさします。保護対象は以下の四つです。
 1.実演家 2.レコード製作者 3.放送事業者 4.有線放送事業者


4. 著作権として認めらるもの

   著作権は著作物を保護するための権利です。著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。したがって以下の3つを満たせばOKです。

思想又は感情であること

   創作物に人の考えや気持ちがあらわれているものであること。

創作的に表現したものであること

 要するに、独自性、個性が表現されていればOKです。また、表現したものでないとみとめられないため、アイデアそのものは認められません。

文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであること

 つまり、文化になっていくものなら大丈夫です。

5. 著作権の創作からその後

   著作者人格権は、著作者が死亡すると消滅します。著作財産権は、著作者が死亡してから70年後に消滅します。70年たって消滅するとキャラクターなどの著作物が誰でも自由に利用することができます。作者は死んでもキャラは財産として生き続けます。