チャートジャンクという認識の拡大

「アートとしてのインフォグラフィックス」に対し、インフォグラフィックスは情報をすばやく的確に伝えるためのものであって、その役割が果たされていないものはインフォグラフィックスとして認めないと考える人もいるのです。

そのような人々は、デザイン面だけが重視されていたり、不必要に図式化されたインフォグラフィックスのことをチャートジャンク、つまり「役立たずの図表」と呼んでいます。

下のインフォグラフィックスは、西洋、日本、中国などの地域で、喜び、怒り、悲しみといった感情を何色にたとえるかを図式化したものです。右側には感情のリストがあり、1番には怒り、38番には喜びと書かれています。 一番外側の層は西洋文化に対応しているので、一番外側の層を見ると、1番の怒りは、38番の喜びは黄色であるとわかります。

この図をアートと呼ぶかチャートジャンクと呼ぶかは人によって意見が異なります。
下の2人の上にマウスをのせて、それぞれの主張を見てみましょう。

「より分かりやすく伝える」というのがチャートジャンクの考えを持つ人々の最大の目的なのです。アートと見るかチャートジャンクと見るかは主観的な問題で、その境目をはっきりと定めることは出来ません。しかし、これからは、インフォグラフィックスの作る目的の分極化が進み、見て楽しむインフォグラフィックスと、より分かりやすく伝えるためのインフォグラフィックスという2つの方向にインフォグラフィックスの意図が分かれていくでしょう。それぞれに利点があり、今後この2つが「視覚化伝達」の世界に大きく関わってくることは確実です。
さて、みなさんはどちらの意見でしょうか。ぜひ考えてみてください。