室内のインフォグラフィックス

■数学グラフ

みなさんが学校で学んだ二次関数や三角関数graph
などのグラフ、あれも実はインフォグラフィックスということが出来るのです。現在数学の授業で扱うグラフはデカルトという数学者が自身の著書である「方法序説」の中で発表した数式を視覚的に表す方法で、これによって解析幾何学は大いに発展したといわれています。
ではなぜ、これがインフォグラフィックスと呼べるのでしょう?

問題を解く際にグラフを書くことによって問題の解き方が見えてきたり、式の間違いに気づいて修正できたという経験は皆さんの多くがお持ちなのではないでしょうか。これは、グラフという視覚化手段によって、数式を私たちがより理解しやすい情報に変形した証拠なのです。現代では、一次関数と二次関数の違いは中学生以上なら誰でも知っていますが、実はこの2種類の関数の違いは、グラフが用いられるようになるまでは漠然としか分かっていなかったのです。一次関数を直線、二次関数を放物線に対応させ、その違いを視覚的に把握できるようになったことは、デカルトによる偉大な業績だと言えます。

ここがポイント! グラフは数式を私たちがより理解しやすい情報に変形させることができる。

 

■ピクトグラム

ピクトグラムとは、情報や注意を言葉ではなく、視覚的な記号や絵によって直感的にわかるようにするための伝達方法です。
優先席や非常口のマークなど、ピクトグラムは様々な交通機関や施設にあるため、みなさんも目にする機会が多いのではないでしょうか。
ただのイラストだと思って侮るなかれ。例えば、ある飲食店に「全席禁煙」のマークが表示されているとします。すると来店した客は誰一人として喫煙しません。このようにピクトグラムは「その場のルールを一瞬にして広範囲に伝え、その空間を統一させる」という効果を持っているのです。一見当たり前のように思えますが、実はとても強い力を発揮しているということがわかりますね。

pictograms

ここがポイント!

①年齢や国籍を問わず誰もが理解できる。

②ピクトグラムは日常で最も身近にあり、利用されるインフォグラフィックスである。

■回路図

大きめの家電製品を買うと、その電化製品の中の電子回路を図式化した紙が貼り付けられています。これを回路図といいます。実はこれも立派なインフォグラフィックスなのです。

         回路図の例   (クリックで拡大)

右の図は真空管という素子を用いた回路図です。
回路図では使われる部品を、「回路図記号」とよばれる絵で表現します。たとえば、丸い記号は真空管を、ギザギザの記号は抵抗という素子を表しています。電子部品を、その特徴を分かりやすく表現する簡単な記号で表すことで、実際の絵を用いるよりも簡単に表現することが出来ています。
また情報を持った絵にしていることにより、平面上に表現できているので、実際の立体的な配線に比べて部分同士のつながりが大変分かりやすいものとなっています。
すべての電化製品を設計する段階で、この回路図が用いられています。

私たちは眼に見えないところでインフォグラフィックスに助けられているのですね。

ここがポイント!

あらかじめ規定された記号を使うことで、電化製品の構造を正確に表すことができる。