双子のパラドックスの解法B

双子のパラドックス正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論が得られる事を指す言葉の解法3

〜加速度運動による説明〜

これまでの説明でも納得できないかもしれない。

それは兄が星についた瞬間に慣性系慣性の法則(運動の第1法則)が成立する座標系を変えるというところだろう。

具体的には兄は目的の星に近づくとブレーキをかけて速度を落とし、星で静止する。

そして方向を変えて加速し、ある速度になったら慣性飛行をする。

したがって慣性系を変えるということは加速度運動をするということである。

じつは、ここで時間の遅れが生じるのだ。

目的の星の近辺だけではなく、出発時と到着時にも加速度運動をする。

しかし、兄は地球から出発するのではなく地球を通り過ぎる瞬間に弟と同じ時刻にするように時計を調節して、ずっと一定の速度で遠くから地球に向かって運動すれば出発時の時間の遅れが生じない。

また、星から戻ってくるときも速度を落とさず地球を通り過ごしてあとからお互いの時計を比較すればよい。

いずれにしても双子のパラドックスで重要なのは星付近の加速度運動である。

また兄の時計が弟の時計より遅れるのは、加速度運動によって兄の時計が遅れるからである。

速度が大きいほど、静止するため、そしてその速度まで加速するための加速するための加速度は大きくなる。

あるいは長い間小さな加速度で運動しなければならない。

こうして速度が大きいほど時計の進みの遅れも大きくなって、地球に戻ったときに兄と弟の歳の差も大きくなる。


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