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「薬の正しい飲み方」をすべき理由について、簡単な実験を行いました。 実験-1では「カプセルを少量の水、もしくは水無しで飲んだ場合」 実験-2では「薬を水以外の飲料で飲んだ場合」 実験-3では「胃薬をオレンジジュースで飲んだ場合」 について実験しました。 |
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実験-1 カプセルを少量の水で飲むとどうなるか? | ||||||||
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①水で飲まずにカプセルを飲み込んだ場合、少量の水で飲みこんだ場合。 ←少量の水で、カプセルを触ってみた。 |
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→カプセルは指の皮膚にべったりとくっついてしまった。 →食道の粘膜にくっついてしまう。食道炎を起こす恐れがある。 |
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②コップ一杯の十分な水でカプセルを飲んだ場合。 ←大量の水につけたカプセルを触ってみた。 |
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→カプセルはゆっくりと溶けていった。指にはくっつかなかった。 →水と一緒に食道を通り、胃の中で水に溶け、体に吸収されやすい状態になる。 |
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★この実験から分かったこと★ | ||
このように、カプセルは適量の水と一緒に飲まないと、指にくっつくように、食道にもくっ付いて危険です。 (→薬の飲み方を確認してください!) |
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実験-2 鉄剤とお茶の成分との反応 | |||||||||||
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(1) フェロミア液2mLと塩酸0.5mLを加え、胃の中に近い液性にする。(酸性) | |||
←左の試験管は塩酸、右の試験管はフェロミア液 | |||
←塩酸とフェロミア液を混ぜる。 (胃の中に鉄剤を入れた状態を再現する。) |
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(2) 1の液に緑茶を1mL加える。 | |||
←緑茶に含まれるタンニンと、鉄分が結合してできる黒い沈澱は、少ししか出来なかった。 | |||
(3)2の液に、更にアンモニア水を1滴ずつ加えて、腸の中に近い弱アルカリ性にする。 | |||
←1mol/Lのアンモニア水 | |||
←弱アルカリ性にすると、タンニンと鉄が結合して沈澱(タンニン鉄)が多くできた。 | |||
(4) 3の液のpHを調べる。 | |||
↑これより、pH9.5くらいということが分かります。 pHとは、0~14の数で液性を表すもので、7が中性。0に近づくにつれて酸性、14に近づくにつれてアルカリ性になります。 |
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←真っ黒になった。 | |||
★この実験から分かったこと★ | |||
この実験のように、貧血改善の鉄剤などをお茶と一緒に飲むと、体の中で薬の成分が変化し吸収されにくい状態になります。 | |||
現在はお茶に影響されないように、製剤の工夫をした錠剤があります。鉄剤をお茶で飲んでも吸収に大きな影響は無いとわかっています。 しかし、この実験のように、薬と様々な物質が反応することを考えると、やはり薬は適量の水で飲むのが良いと思われます。 |
★実験-2のまとめ!★ |
実験-2のタンニン鉄の沈澱生成の実験のアニメーションを用意しました。 下の画像をクリックしてみてください!! (再生中に画面をクリックすると、最初に戻ることができます。) |
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実験-3 オレンジジュースと胃薬の反応 | ||
準 備 | ・クエン酸(かんきつ類などに含まれる有機化合物)…オレンジジュースの代わりに使用 ・重曹(炭酸水素ナトリウム。胃酸を中和する薬として使用されている。)…胃薬の代わりに使用 |
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操 作 | 胃薬の成分である重曹をオレンジジュースなどのかんきつ系飲料と一緒に服用するとどのような変化をするか調べる。 | |
手 順 | 以下の通り。 |
(1)クエン酸(適量)を水に溶かす。 | |
←クエン酸を溶かした水。オレンジジュースなどと同様の成分になる。 | |
(2) (1)に重曹を加える。 | |
←大量の泡が出た。 →胃に届く前にクエン酸と反応して中和してしまう。 クエン酸+炭酸水素ナトリウム→ クエン酸ナトリウム+二酸化炭素+水 |
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★この実験から分かったこと★ | |
この実験のように、胃薬をオレンジジュースなどで飲むと、大量の泡(二酸化炭素)が発生し、胃薬の効果が胃に届く前に弱くなってしまいます。 このように、実験-2の結果と同じく薬を水以外の飲料で飲むと、飲み合わせによって薬の作用が強くなったり、反対に効き目が弱くなったりして、期待する効果が得られないことがあります。→ここをクリックして「薬の飲み方」の「危険な飲み合わせ」を参照してください。 |
●●次は病気と薬による治療について説明します。 |
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