続いて、食事の際の具体的のマナーに入っていきます。日本では伝統的に、畳の上に高さの低いお膳を直接置くという方法で食事が配膳されてきたため、お茶碗や小皿などをを手で持って食べることが求められます。これらを持たずに食事をする事はマナー違反となってしまいます。お茶碗を持ちながらお箸を置いたり、お箸を持ちながらお茶碗を持ったりといった動作は、流派によって決まりや考え方は違いますが、できるだけ美しく、他人に迷惑をかけないよう、行うことが望ましいです。以下はお茶碗を持ちながらお箸を持つ時の動作の一例です。
1. 両手でお茶碗を持ち上げたのち、右手を離し、左手のみでお茶碗を持ちます。「茶碗を両手で持ち上げる」の部分は、左手だけで手に取るという流派もあります。 また、茶道では右手でお茶碗を持って左手に持ち替えるという流派もあります。
この時、お茶碗の糸底の部分は、左手の4本の指の上に乗るようにすして、親指は軽くふちにあて安定させます。 お茶碗の糸底の部分を乗せる指は軽く曲げて糸底にかけることもあります。
2. 左手だけで茶碗を持ち、膳に置いた箸を右手で上から持つちます。箸先を、茶碗を持ったままの左手の糸底と指の間で挟んで箸を支えます。「箸先を、茶碗を持ったままの左手の糸底と指の間で挟んで箸を支える」際には、糸底の小指だけで箸先を支えるという流派もあります。
3.右手で箸を持ち直します。
例えば取引先やお客様との会食の場合には、部屋に通されたら、まず部屋の隅か下座に座り、軽く会釈をします。席をすすめられたら、座布団の左横に座ってあいさつを述べ、それから座布団を使用するようにすると、良いマナーだといえるでしょう。