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結果と展望

出力結果

作成した昔の岸和田城を3Dプリントしました。

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寸法は縦5cm、横5cm、高さ7.5cmとかなり小さいもの(実物の1/460)になりましたが、
それでも細部まで丁寧に再現されています。
実際に3Dプリントしたものを見ると、絵や画面上でCADのモデルを見るよりもわかりやすく、立派な天守に見えます。

今回の活動のまとめ

約1年間の活動の結果、昔の天守閣を3Dプリントする目標は達成されましたが
当初の予定よりも小さく、また昔の岸和田城天守閣に関する情報の少なさから正確であると言い切れるものではありません。
しかし、今や過去のものとなった昔の天守閣を可能な限り再現し実際に見ることができるようになったのには大きな意味があります。
また、webサイトには岸和田城についてや、3Dモデルの製作過程、CADの使い方などのページを作成することができ
様々な人に岸和田城及びCADに興味をもってもらえるような活動ができました。

今後のものづくりのありかた

3Dプリンターなどの新しい製造技術を用いることによってものづくりが私たちのより身近に感じられるようになり、
そのことが今後のものづくりの在り方に大きな影響を持つのではないかと私たちは考えます。
3Dプリンタに限った話をするならば、この技術は今後様々なものづくりに役立つことが予想されます。
1つは精密な工作機械として医療関連のもの、例えば臓器のモデルや人工の骨などを作成するのに大きく活躍するでしょう
もう1つは幅広い不特定多数の人間がそれぞれのもつアイデアを手軽に実体化できるという点です。
これらのものづくりの技術に関しては課題も多く残っていますが、この技術が発展すれば
欧米が先行している現状から抜け出し、日本が一歩前に出る気賭けになると考えられます。
今後の課題としては第一に装置、ソフト、材料などの技術そのものの発展、
次に3Dデータの扱いになれた人材の育成、更に、それらの人材が自由にものづくりのできる環境整備、
最後にこの技術の可能性に対応できる企業の増加などがあげられます。

3Dプリンタの活用事例

建築分野では「建築模型」、医療分野では「術前検討モデル」、教育分野では「モノづくり教育のツール」など、
3Dプリンタはさまざまな分野において活用されています。
特に、教育面では検索サイト運営企業のヤフー株式会社が「さわれる検索マシン」という機械を開発しています。
この機械は音声入力によってキーワードから3Dデータをデータベース内から検索し、
3Dプリンターで立体物を形成する、というもので筑波大学附属視覚特別支援学校に試験的に設置されました。
初期に蓄積されたデータは110種類で、キーワードに沿ったものが見つからない場合は
ネット上で不足分を募集し、データを集める仕組みが組み込まれています。
平成26年3月のプロジェクト終了に伴い、「さわれる検索」アプリはオープンソース化され、
同社が権利を保有する3Dデータ140点は、海外の3Dデータ公開サイトにて公開されました。

プロジェクトの展望

3Dプリンターで出力した天守閣の大きさは高さ約7.5cmです。これは実際の大きさと比べるとずいぶん小さいものです。
できることならならもっと大きく、もっと細部までこだわったものを作りたかったのですが、簡単にできることではありません。
理由のひとつめは3Dプリントにも限界があることです。3Dプリントはどんな立体も作成できるというわけではなく、いろいろな制限が存在します。
また、細かい3Dモデルほど出力にかかる費用も跳ね上がります。
二つ目に、CADの技術不足があります。今回作成中ももっとこんな風にしたい、どうしてそうなってしまうのかと思い通りに作成できないところもありました。
三つ目に、昔の岸和田城天守閣に関する資料不足です。過去のものであり、どうしようもない部分も存在しますが、まだまだ不確実な部分がある以上、
さらに細かく作成することは難しいです。
しかし、もし今後3D技術の発達、プロジェクトの大規模化があれば、原寸大の大きさで3Dプリントが可能になるかもしれません。
また、今回CADを用いて天守を作成したように、、
まだまだ我々にとって遠い存在であるCADや3Dプリンターがもっといろいろなことに、もっと身近なものに活用されればと思います。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
岸和田城再建プロジェクトクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下で提供されています。