-時代と流行色-

時代と流行色

■流行色は決められている

このページでは、少し違った角度から「色彩と心理」について考えてみたいと思います。
皆さん、「流行色」という言葉を知っていますよね。
「今年の春はピンクが流行るらしいよ」なんて話を聞いたことがあるのではないでしょうか?
実は、「流行色」って決められているんです!「流行色」という言葉から「自然発生的に流行した色」と思われがちですが、なんと2年も前から計画的に決められているのです。
流行色の決定はパリに本部がある「インターカラー」(国際流行色委員会)で行われます。各加盟国の代表がそれぞれ意見を持ち寄り協議して2年先のファッションの流行色を選定しているそうです。

流行色が決まるまでの流れを見てみましょう。

トレンドカラーが決められる流れ
2年前

インターカラーにてトレンド選定

  下矢印
1年半前

JAFCAにて、国内市場向カラー選定

  下矢印

素材展示会

1年前

商品企画 → 商品化

  下矢印

コレクションなど開催

実シーズン

販売 → 購入


では、なぜ2年も前から決められているのでしょうか?
それは、ファッションはもちろん、電化製品やインテリア・車など様々な物の開発に関係してくるからだそうです。 つまり、ファッション界やその他の様々なメーカーは、2年前に決められた流行色の商品の開発に向けて、長い期間をかけて動いているんですね。

「流行色」は時代や年代によって変わります。そして、その流れは景気や時代背景との関連性があるといわれています。
そんな「流行色」についてまとめてみました。時代の流れと一緒に流行色を見てみると面白いですよ。

■流行色は常に本当に流行するのか

このように、2年前に決められた流行色は、予想通りに流行するのでしょうか?
実は必ずしも予測通りに流行するわけではないようです。なぜでしょうか?
それは、自然災害やテロなどの大事件・景気などによる、私たちの心理状態で選ぶ色が変化するからです。
90年代前半にオレンジが流行色となったときがありました。 欧米では注目されたのですが、日本ではまったく流行しませんでした。 この頃、日本はバブル崩壊直後で不安が続き、元気なオレンジは受け入れられなかったのです。

確認 流行色には2年前から意図的に決められるものと、社会情勢により自然に生み出されるものがあるんだね。


■流行色年表

流行色と社会情勢の年表を作成しました。流行色を決めているインターカラーは1963年に設立されたので、その前の流行色は自然に生み出された色といえるのではないでしょうか?
時代背景と比べながら流行色を見てみましょう。

◆1940年代 ◆1950年代 ◆1960年代
◆1970年代 ◆1980年代 ◆1990年代
◆2000年代 ◆2010年代

1940年代

  • 1945

    第二次世界大戦終戦    
    ※軍服のカーキ色 

  • 1947~1949

    徐々に経済復興への道を歩み始める。 アメリカンルックが流行し始める。
    ※マリンルックの原色 マリンルックの原色

1950年代

  • 1950~

    朝鮮戦争(1950年~1953年) 戦争特需
    アメリカンルック全盛期

    戦後海外映画が上映されるようになると、映画のシネモードが流行する    
    ※シネモード「赤い靴」の赤や「赤と黒」の赤と黒 

  • 1955

    経済復興が本格化。三種の神器(電気冷蔵庫・洗濯機・掃除機)
    ※モーニングスターブルー 

  • 1959

    皇太子(現在の天皇陛下)御成婚
    慶祝カラー 慶祝カラー 

1960年代

  • 1961

    貿易の自由化実施
    ※1962 デパートのカラーキャンペーン(シャーベットトーン)

  • 1964

    東京オリンピック 東海道新幹線開通
    ※オリエンタルカラー(日本伝統色)

  • 1968

    高度経済成長/GNP第2位
    ※メキシカンカラー(メキシコオリンピック)    

  • 1969

    大学紛争/アポロ月面着陸
    ※サイケデリックカラー サイケデリック

1970年代

  • 1973

    第1次石油ショック
    ※1970~ 自然志向のナチュラルカラー  

  • 1974

    GNP初のマイナス(節約意識の高まり)
    ※1973~ アースカラー アースカラー

  • 1977

    円高不況
    ※1975~カーキ、オリーブが流行 カーキ、オリーブ

  • 1979

    第2次石油ショック

1980年代

  • 1979~

    第2次オイルショックから続く景気低迷    
    ※1980~82 世界的なモノトーンブーム  

  • 1983~

    景気回復の兆し
    ※1985~パステル調が流行 パステルカラー

  • 1987~

    バブル景気が始まる

  • 1989

    昭和から平成へ/環境サミット開催
    ※1989~ エコロジーカラーが注目される エコロジーカラー

1990年代

  • 1991

    湾岸戦争・ソ連消滅  / バブル経済が崩壊し、不況が始まる    
    ※1991 紺ブレ人気で紺や黒の定番色が流行  

  • 1995

    阪神大震災・オウム事件
    ※1993~ナチュラル人気でベージュが流行 ベージュ、ナチュラル

  • 1999

    完全失業率過去最悪の4.9%
    ※1997~98 秋冬にパープル、ワイン系流行 ワイン



さぁ、ここからは2000年代です。
私たちが生まれてからの時代になるので、皆さんも覚えている流行色があるのではないでしょうか!
ここからは詳しく各年の流行色を見ていきましょう。


2000年代

  • 2000

    沖縄サミット開催(7月)二千円札発行    
    ※ピンク大流行  ピンク

  • 2001

    アメリカ同時多発テロ(9月)
    ※ビビッドレッドのヒット

  • 2002

    日韓共催サッカーW杯(5月)
    ※年間通して白が人気

  • 2003

    イラク戦争勃発(3月)、中東でテロが続発
    ※カーキ、オリーブ人気 カーキ、オリーブ

  • 2004

    アジア各地で鳥インフルエンザが広がる(1月)
    ※キラキラ系、メタリックカラー

  • 2005

    個人情報保護法施行 / 温暖化防止策でクールビズが始まる
    ※ターコイズ ターコイズ

  • 2006

    ライブドア事件 / 新興市場株の低迷
    ※家電で高級感のあるゴールドやモノトーン

  • 2007

    サブプライムローン問題(世界金融危機)発生
    ※「黒リッチ」話題に

  • 2008

    米リーマンショック、世界同時不況
    ※パープル、ピンクなどのベリーカラー人気 ベリーカラー

  • 2009

    衆院選で民主党が勝利し政権交代へ
    ※iPhoneの黒と白人気

2010年代

  • 2010

    ツイッター、FacebookなどSNS人気 / iPad発売    
    ※ダンガリー、デニムのヒットともにブルー系人気 ターコイズ

  • 2011

    東日本大震災    
    ※ネイビー人気 ネイビー

  • 2012

    衆院選で自民政権復帰 /ロンドンオリンピック開催    
    ※シャーベットカラー

  • 2013

    アベノミクス / 富士山、世界文化遺産登録    
    ※ビビッドカラー、ネオンカラーが人気  ネイビー

  • ※資料提供:(一社)日本流行色協会(JAFCA)

    まとめ 時代ごとに変化する流行色。いかがでしたか?
    古い年代のことは、皆さんにはピンとこないかもしれませんね。
    終戦直後に、軍服のカーキが流行したっていうのは、なんとなく分かるなぁ。
    そうだよね、その時代のTVドラマとか見ても軍服やモンペ姿が多いよね。 
    石油ショックや不景気が続くと、流行色が地味になっているもの納得だよね。
    私、最近だけど2013年のネオンカラーって印象に残ってる。iPhoneの5c カラフルなの買ったもの♪
    流行色は決められているといっても、やはり時代背景と深く関わっているように感じました。
    またこれ以降の年代。私たちが生まれてからの流行は、○○年秋冬、○○年春夏 のように1年の中でも変化しているように感じます。

    人2
    ジャーン!!着替えました♪

    かわいい~ どうしたの?
    知らないの? 日本流行色協会(JAFCA)が発表した来年(2017年)の色はビビッドレッドなのよ!
    色名:リーディングレッド Leading Red っていうんだって。選定理由として 【決断、エネルギー】【人間らしさ】【日本】の3つのキーワードがあるんだって。


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