- ジェットポンプ
炉心内で
冷却材を効率よく循環させるための設備で、原子炉圧力容器内に20台設けられています。ジェットポンプは再循環ポンプにより循環された冷却材とその周辺の冷却材を細いノズルを通す事によってジェット流をつくり、強制的に炉心に送ります。また万一、再循環ポンプと原子炉圧力容器の間の配管が破断した場合にも、炉心内の水量を確保する事ができます。
- 気水分離器、蒸気乾燥機
炉心で加熱された冷却材は、蒸気と加熱水が混合しています。蒸気と加熱水を分離する働きをするのが「気水分離器」、さらにこの蒸気を乾燥させる働きが「蒸気乾燥機」です。
- 再循環ポンプ
炉心での冷却と蒸気の発生を効果的に行うために冷却材を循環させるポンプです。原子炉圧力容器の外側に2台設置されています。再循環ポンプで循環された冷却材はジェットポンプへ送られます。また再循環ポンプから出る冷却材の量を調節する事によって原子炉の出力を調節しています。
- 燃料棒
まず粉末のウランを各種の粉末の特性により必要に応じて粉砕、予備成形、均一混合などの粉末処理を行います。処理された粉末を自動的にロータリープレスに供給して、コントロールした圧力のもとで成形します。次に、加圧成形されたペレットは割れや欠けを防ぐため自動ソフトハンドリングシステムで耐熱性のモリブデン容器に積載し、1700℃~1800℃の高温で焼き固め耐熱セラミックとします。この作業を燒結といいます。燒結ペレットは砥石にとって高速で精密に削られ、ミクロンのオーダーで直径を仕上げます(研削砥石と調節砥石にはさまれた形で削られる)。最後にペレット検査をされます。ペレットは全数外観検査を行うとともにウラン濃縮度分析、不純物分析、断面試験などによって品質を確かなものにしています。
完成したペレットはウラン235の濃縮別に燃料棒の所定領域にコンピュータとOCR(光学的文字読取機)で正確に自動装填されます。その後燃料棒に5~10気圧のヘリウムガスを封入し、被覆管と上部端栓を溶接チャンバー内で精密にアーク溶接します。そしてそれを燃料棒検査します。検査では、燃料棒の寸法、曲がり、溶接部の健全性、ペレットの濃縮度、外観などを最先端の非破壊検査統合システムによって行っています。
- 燃料集合体
燃料棒とウォーターロッドを正方格子状に8本×8本、計64本束ね、
ジルコニウム合金製のチャンネルボックスに収めたもので炉心の中には764体あります。スペーサは燃料棒間の間隔をを保つ役割をし、チャンネルボックスは燃料棒から熱エネルギーを奪う冷却材の流路を確保する役割をしています。ウォーターロッドはスペーサを支えるとともに、燃料集合体内の出力分布を平坦化する役割を果たしています。
- 給水加熱器
復水器から原子力圧力容器へ送られる給水を蒸気により加熱する設備です。加熱に使われる蒸気はタービンを回した後の蒸気の一部が使用されています。原子力容器への給水の温度を上げることによって、熱効率を高めるなどの利点があります。給水加熱器には低圧給水加熱器と高圧給水加熱器があります。
- 復水器
低圧タービンを回し、温度、圧力が下がった蒸気を海水で冷却・凝縮し、水に戻す施設です。そして蒸気から戻された水を低圧復水ポンプへ送ります。
- 湿分分離器
高圧タービンを回した後の蒸気の湿分を取り除き、低圧タービンへ送る設備です。侵食防止と熱効率向上を図るために設置されています。
- 低圧復水ポンプ
復水器からの水の圧力を高めて復水ろ過装置へ送ります
- 高圧復水ポンプ
低圧復水ポンプから復水ろ過装置、復水脱塩装置を通って送られてきた水を低圧給水加熱器へ送ります。
- 制御棒
4体の燃料集合体の間を移動できるように十字の形に作られていて185体あります。また挿入位置を調節して出力を調節します。原子炉を起動させる際には徐々に制御棒を引き抜いていきます。急速に引き抜いたり数本同時に引き抜いたりすると急激に出力が上昇し燃料棒の健全性が損なわれる可能性があることから制御棒は一本づつ引き抜きます。また引き抜きの際の速度も制限が設けられています。
- 給水ポンプ
低圧給水加熱器から送られてきた加熱された水の圧力をさらに高めて原子炉圧力容器へ送ります。
- 循環水ポンプ
タービンを回した蒸気を水に戻すために復水器に冷却材として海水を送ります。タービン建物外に設置されています。