パスカル的三角形を作り出すゲーム
私達のクラブは長年パスカルの三角形に似た三角形を作るゲームを研究して論文が2012年にイギリスの数学雑誌Mathematical Gazetteに掲載されましたが、その研究を私達が今年になって発展させて国際学会Japan Conference on Discrete and Computational Geomery, Graphs and Games 2017の論文査読を通過して、発表することができました。実際に使っている数学的な知識は高校レベルプラスアルファくらいなのですが、高校生の発想で世界の研究者の仲間入りができました。このようなことを書くと、私達が特別な高校生に思われますが、そうではないです。うまい方法を使えば、高校生でも、高校レベルの知識で発見ができます。アクティブラーニングが重要と言われいるので、数学ではこのようなやり方があることを伝えたいです。
これから、研究内容を書きますが、証明は省いています。証明をつけた研究論文を「おわりに」のページに添付します。なお、イギリスの数学者がPascal-like triangleとよんだので、パスカルの三角形に似た数字の三角形をパスカル的三角形とよびます。
どんなゲーム?
もともとは、このゲームはロシアンルーレットでした。しかし、人が死ぬということを数学的に扱うのは良くないということで赤のカードと白のカードを扱うゲームとして、赤を引くことが、ロシアンルーレットで実弾を撃つことに相当すると思っていただければ、理解しやすいと思います。
山札が積まれた円形のテーブルがあり、その周りにプレイヤーを配置します。
山札には赤のカードと白のカードが混ざっており、裏向きに重ねて置かれています。
プレイヤーは決められた順番に山札からカードを引いていき、ある一定のルールにしたがって1人の敗者を決めます。なお原則1人でも負けのプレイヤーが出たときゲームが終了するものとします。
このゲームにおいてある順番のプレイヤーが負ける確率を三角形に並べると、分母と分子が独立にパスカルの三角形と似た性質を持ちます。